W12との別れは「初体験」との出会い ベントレー・コンチネンタルGT プラグインHVの試作車へ試乗
W12を置き換えるV8プラグインHV
W型12気筒エンジンとのお別れを決めた、ベントレー。それを置き換えるパワートレインとして開発されたのが、V型8気筒ツインターボをベースにしたプラグイン・ハイブリッドだ。 【写真】V8プラグインHV ベントレー・コンチネンタルGT スピード 競合の上級グランドツアラーと比較 (148枚) コンチネンタルGT スピードを名乗る、新世代グランドツアラーの動力源となっているのが、まさしくそれ。2003年の登場以来、これで4代目となるが、歴代で最も強力なパワートレインとなる。 4.0L V8ツインターボに駆動用モーターを組み合わせ、総合での最高出力は782ps。最大トルクは、101.8kg-mと3桁に届いた。 駆動用モーターは、エンジンと8速デュアルクラッチATの間に搭載。単体で190psを発揮し、電気だけで80km以上走れるとのこと。 今回筆者が試乗したのは、量産状態へ近いプロトタイプ。ボディには偽装のラッピングが施されていたが、ウィンドウガラスと金属製のボディパネルは、3代目と基本的に変わらないという。ヘッドライト端部へ、細長いアイラインが追加されたのがわかる。 本当の新世代といえず、開発テストや認証プロセスが簡略化されたのでは、と推測したが、ベントレーによると違うらしい。パワートレインとサスペンションが新しくなり、コネクティビティとサイバーセキュリティが強化され、内側は刷新されているそうだ。 完全に新しく、歴代で最もテストにかけられたコンチネンタルGTなのだとか。また歴代で初めて、クーペと同時にコンバーチブルのGTCも発売されるという。
バッテリーは25.9kWh 重量配分は50:50へ接近
V8ツインターボ単体での最高出力は、599ps/6000rpm。排気量1.0L当たり約150psとなり、なかなかのハイパワー・ユニットといえる。四輪駆動だが、リアへのトルク伝達が優先される設定だ。 最大トルクは2000-4500rpmで発生するそうだが、駆動用モーターがアシストを加え、低回転域での鋭さを高めている。ドライブモード次第では、シフトチェンジを滑らかにするためにも、モーターは利用されるという。 新世代もエンジンの直後にトランスミッションが組まれ、一部のライバルのようにトランスアクスルではない。フロントが重いことを隠さない操縦性が、歴代のコンチネンタルGTの特徴になってきた。 だが、アクティブ・リアディファレンシャルとトルクベクタリングを採用し、徐々にバランスは改善されてきてもいる。新しいプラグイン・ハイブリッドでは、25.9kWhの駆動用バッテリーをリア側に搭載。前後の重量配分は、50:50へかなり近づいたらしい。 ハイブリッド化で燃費が伸び、航続距離を変えずに燃料タンクは10L小さい80Lへ変更。駆動用バッテリーの影響で、荷室の床面はだいぶ高くなっている。 ここで気になるのが、車重だろう。2021年に計測した3代目は、W12エンジンを搭載した仕様で2.3tほどだった。