『遠い空の向こうに』ロケット打ち上げに情熱を注ぐ、青春映画の佳作(後編)
監督について
監督のジョー・ジョンストンは、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校に在学中、ジョージ・ルーカスの従業員募集広告に応募した。そしてジョン・ダイクストラが設立したILMに参加し、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(77)における視覚効果シーンのストーリーボードを担当した他、デザイナーとしてラルフ・マクウォリー(https://en.wikipedia.org/wiki/Ralph_McQuarrie)のコンセプトアートをベースにして、ミレニアムファルコン、Xウィング、Yウィング、スター・デストロイヤー、デススターの最終デザインを仕上げた。 その後、テレビシリーズの『宇宙空母ギャラクティカ』(78)に参加後、ILMは分裂してしまう。ジョンストンは、ダイクストラと袂を分かち、ルーカスがサンフランシスコに設立した新ILMに加わった。彼はここで、『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(80)、『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(81)、『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(83)などを担当。代表的な仕事に、ヨーダ、ボバ・フェット、AT-ATウォーカーなどのデザインがある。 だがジョンストンは、この仕事に嫌気を感じ始めていた。『ジェダイの帰還』終了後に多くの仲間たちがILMを去って行ったのに合わせ、貯めた金で旅行することに決める。しかしルーカスは、ジョンストンに彼の母校である南カリフォルニア大学・映画芸術学部に通うことを提案。授業料もルーカスが払ってくれた。 そして卒業後、『ミクロキッズ』(89)で監督デビューする。その後は、『ロケッティア』(91)、『ジュマンジ』(95)、『ジュラシック・パークIII』(01)、『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』(11)など、順調にキャリアを重ねて来た。本作は、彼の代表作と言って良いだろう。