回想おおさかの夕刊紙 20年ぶりに大阪市政記者室へ
記事はその場で配信
会見は予定通り午前10時半に開始。吉村市長は終始緊張した表情ながら、選挙公約に掲げた政策を軸にして、しっかり所信を表明していく。Yデスクは動画のカメラを操作しながら、スチール写真撮影や原稿配信などを1人でこなし、1時間におよぶ市長会見のライブ中継を無事完了。筆者は会見を聞きながら、速報用の原稿を作成する作業に追われ、会見終了後、原稿を隣のYデスクに渡した。 その場はいわば「臨時編集本部」となり、ただちに原稿と動画、写真を組み合わせニュース記事のレイアウトを完了。「THE PAGE大阪」で完全版が配信されたのは、会見終了から30分ほどだっただろうか。 その後、Yデスクと2人で市役所地階の職員食堂へ移動。筆者にとっては、毎日のように通ったなじみの店だ。市役所は間もなく昼休憩となり、次々と食堂へ詰めかけてくる職員たちより、少しだけ先んじてゆったりランチを味わうことができた。 20年ぶりに再訪した記者室は、かつての面影を残していた。しかし、時代もメディアも筆者自身も、かなり変わってしまったことを、改めて痛感した1日だった。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑) ■岡村雅之(おかむら・まさゆき)大学卒業後、編集プロダクションで勤務した後、夕刊紙「関西新聞」で主に行政、経済、文化などを担当。その後「新大阪新聞」に移り、“最後の編集局長”として休刊に立ちあう。後に「大阪新聞」の契約記者、雑誌「大阪人」の編集などを担当した。