ホンダ新型「プレリュード」プロトタイプを試乗、次世代ハイブリッドでEV時代でも「エンジンのホンダ」は死なず!
2040年にグローバルでの新車販売を100%EV(燃料電池車を含む)にすると宣言しているホンダ。それに向かう中で、EV開発と並行してハイブリッド技術も進化させる。 【写真】新型「プレリュード」の車内はこうなっている! その詳細について、ホンダは栃木県内の同社関連施設で報道陣向けに技術説明会を実施した。併せて、次世代技術を搭載した実験車両や、2025年発売予定の新型モデルのプロトタイプにも試乗できた。そのクルマは新型「プレリュード」のプロトタイプだ。その乗り味をお伝えする。 (桃田 健史:自動車ジャーナリスト) ホンダの執行役・四輪事業本部長の林克人氏は、技術説明会の開催理由をこう述べた。 「我々は四輪事業の全体(像)を正しく(市場全体に)お伝えできていないと反省している」 そして、頭を下げた。 ユーザーや販売店、そして報道陣から、「ホンダはエンジン開発を凍結したと聞いたが、それは事実なのか?」「得意のエンジンの強みを捨てて、今後どのようにしていくのか?」といったネガティブな質問を受けているというのだ。 そうした状況を招いているのは、ホンダの長期ビジョンが世間に正しく伝わっていないからだ。ホンダは、「2050年にカーボンニュートラル」、その前段階として「2040年にはグローバルで販売する新車100%をEV(または燃料電池車)にする」という長期ビジョンを掲げている。これが、誤解を生んでいると、ホンダは今、重く受け止めている。 さらに、ホンダの最重要市場であるアメリカでは、気候変動対策に後ろ向きとされるトランプ氏が次期大統領に就任することが確定している。2040年までに新車の100%をEV(または燃料電池車)にするというホンダが目指す方向と、EVに懐疑的になりつつある世間の見方にズレが生じてしまう可能性も否定できない状況にある。 ただし、ホンダ社内では、現状からEV100%へと一足飛びに転換するとの認識はないのは当然だ。 ホンダは、EV普及の実質的なスタートラインは2020年代後半以降と捉えている。2020年代中盤までのEV移行期では、引き続きハイブリッド車の需要が大きいと見込んでいる。 そのため、すでに市場導入しているホンダ独自の2モーター式ハイブリッドシステム「e:HEV(イーエイチイーブイ)」を次世代モデルに進化させることも決まっている。 次世代e:HEVの販売目標は、2030年までに年間130万台を目指す。これは2023年の現行e:HEV販売台数、年間65万台の2倍に相当する。 そうしたホンダの次世代e:HEVを今回、初めて体験することができた。 まず、公開された技術の全容からお伝えしよう。