京都国際初勝利 甲子園に韓国語の校歌、OB歓喜 選抜高校野球
春夏通じて初出場の京都国際が24日の第93回選抜高校野球大会(第5日)で柴田(宮城)との初出場校対決を制し、初勝利を飾った。同校は京都韓国中学校を前身とする学校で、甲子園に韓国語の校歌が流れた。三塁側アルプス席には在校生やOBの在日コリアンらが駆けつけ、歓喜に沸いた。 【京都国際―柴田 熱戦を写真で】 1947年に開校。58年に京都韓国学園となった後、韓国政府から学校として認可され、在日コリアンが学んでいた。全校生徒数が40人ほどに減るなど、存続が危ぶまれたこともあり、「なにか学校を活気づけるものを」と99年に創設されたのが野球部だった。2004年に学校教育法1条が定める「学校」として認可されて日本の教育課程も学ぶ私立校となった。校名も京都国際に変わり、現在は日本人生徒も多く通う。 京都国際の1期生として入学した野球部OBの韓光勲さん(32)は、かつてのチームメートと共に応援に駆けつけた。「何回か甲子園出場のチャンスはこれまでもあったが、やっと現実になった」と後輩たちのプレーを目を細めて観戦。京都韓国学園1期生の許民九さん(73)は野球部の創部に関わったメンバーの一人。「野球部を作った当初は、甲子園だなんて考えもしなかった。あの子たちには『ありがとう』と伝えたい」と感慨深げだった。 試合は白熱した展開で延長戦となり延長十回、京都国際が2点を勝ち越し。柴田の反撃を1点で食い止め、5―4で初勝利をつかむとアルプス席のOBや在校生らは両手を高く突き上げて喜びに沸き、涙を流す人も。試合後、韓国語の校歌が流されると、観客らも新型コロナウイルスの感染予防のため静かに聴き入った。京都国際1期生で野球部主将を務めた李昌季さん(32)は「やっとここまで来た。現役時代を思い出して涙が出た。2回戦以降も応援に来たい」と話した。【中島怜子】 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。