虎のソナタ 甲子園で繰り広げられるフライ祭り からあげ祭に舌鼓、飛ばない打球には閉口
(セ・リーグ、阪神2x-1巨人=延長十回、6回戦、阪神3勝2敗1分、18日、甲子園)伝統の一戦に向けて阪神が練習を終えたころ、遊軍の上阪正人が鼻をひくつかせながら甲子園の外周を歩いていた。 「あ、あった! 『北海道ザンギ』に『からあげ大吉』…。これ、めっちゃうまそう」 2024年フードイベント第2弾として「甲子園からあげ祭」が21日まで開催されている。全国のから揚げ自慢の店が集結し、競うように並ぶ。無類の鶏好きの上阪は「すごいよ。イチ、ニ、サン…いくつ店があるんやろう。買って食べてみるわ」と財布を取り出した。いや、グルメリポーターまではよろしいゾ。 それにしても球界の「フライ問題」はどうにかなりませんか? フライを上げても打球が伸びず、フェンス手前で失速。今季は全球団を通じて本塁打数が大幅に減少している。高校野球でも低反発バットが導入されて木製バットを使う選手もいたけど、野球の華は本塁打じゃないの? 春先は打者が慣れていないため、投手有利と言われるけど本当にいいのか!? 米大リーグでは「フライボール革命」が再考の時期にきている。打者によって極端なシフトを敷く作戦が多く、打者は内野の頭を越える打球を打った方が安打になる可能性が高まるというものだったが、今は内野手を4人(二塁ベースを挟んで2人ずつ)配置することが義務付けられるなど制約が入った。メジャーリーガーのマネをして打球を上げようとしている日本の選手に異を唱えたのが巨人・阿部監督。2軍監督時代「フライボール革命」に一定の理解を示しながらも「アッパースイングにしろってことではないと思うし、そういう打者が必ずしもアッパーなわけじゃない」と語っていた。自分の打撃フォームを完全に見失ってしまう可能性があるのだ。阪神は大丈夫か!? 虎番たちにも「フライ革命」が起きていた。「4・20」。甲子園近辺で盛大なるパーティーが開催されるらしい。「邨田直人の生誕30年を祝う会」。あのね、どこぞの政治家のアレじゃない。簡単にいえば、19日に30歳を迎える邨田の誕生会をしようというわけだ。 「邨田から『僕を祝ってください』と言ってきたんや」とビヤ樽三木建次。財布のヒモが固い三木はすぐに上阪、虎番キャップの新里公章らに声をかけ〝スポンサー〟探しに奔走した。鶏のから揚げに焼き鳥にキモ、つくね…とにかく鶏ざんまいの夜にしたいという。