隣県対決は、慶誠の一方的リードで終わる
暴風警報発令を経て、やや風のおさまりつつある中で試合はスタート。慶誠は、古木裕監督が「3バックを試したかった」と試合後語ったように、ふだんの4-2-3-1から3-4-1-2に変更して臨んだ。 【フォトギャラリー】 慶誠 vs テゲバジャーロ宮崎U-18 慶誠はシステムを変えたことがすぐさま奏功し開始2分、CKのチャンスからゴール前のボールを押し込んで、あっさりと先制する。その2分後、慶誠が再び押し込んで2点目。その後も、慶誠の猛攻は止まらない。20分までに7本のシュートを放ち、テゲバは対応に追われるばかりで、攻撃らしい攻撃は、8分に石崎跳真がゴール上空に飛ばしたシュートくらいしかなかった。 さらに21分にはミドルシュートがゴール左隅に決まり、23分にはFWがテゲバGKとゴール前で一対一となり、冷静に決めて4点目。さらに前半終了間際には、ゴール前のこぼれ球に対しテゲバGKが捕球に向かうが、これをかっさらって無人のゴールへ流し込まれてしまう。これで前半だけで5得点と慶誠の大量得点となり、すでに勝負あり。あとは何点差がつくかに興味が移った試合となった。 後半に入ると、互いにメンバーチェンジしたこともあり、テゲバ側もボールを握れる時間帯が増えてきた。しかし、慶誠が試合を有利に進めている状況は大きく変わらない。 テゲバも何とかして攻撃の形を作り、慶誠ゴールを目指そうとするが、課題のひとつであるラストパスが通らずにいる。6分には作本崇登がシュートを打つが、キーパー正面で難なくキャッチされてしまう。9分からの慶誠の連続攻撃は、テゲバの守備陣が何とか凌いで、得点は許さなかった。13分のクロスはバーを越え、18分のチャンスはパスが通らないなど、前半とは変わって慶誠側にも焦りの色が感じられるようになってくる。この状況で、テゲバは1点でも返すべく奮闘を続ける。23分には久しぶりにペナルティエリア内まで侵入するも、相手DFにクリアされ、その直後の慶誠のシュートを止めての反撃では、押川翔太が鋭いシュートを放つが、惜しくもバーを叩いて得点とはならなかった。 前半とは打って変わって、両者ともに決定機を欠いた後半。しかし、午前中の水口戦同様、テゲバは試合終了間際に集中力が切れたのか、慶誠に6点目を決められ、ここでゲームセット。 テゲバの本藤大成監督は、「振り返るのが難しいゲームになった。この大会を通じて、自分たちの現状というものが選手もスタッフも分かったので、そこを自覚して次に繋げたい」と語った。「残念ながら決勝トーナメントには行けなかったが、まだ2日間あるので、成長に目を向けるところはぶれることなく、一戦一戦を大事に戦っていきたい」と前を向く。 古木監督は残り2日について、「(新学期に向けて)メンバーもある程度固定しなければならないが、柔軟にやっていかないと1年間を通して戦うのは難しい。あと2日間、自分たちの目がどれだけそろうかが大事だ」と決意を新たにしていた。 (文・写真=高浜確也)