阪神・近本 通算11本目の先頭弾 「きょうはもう、思い切っていく」チームトップタイ5号&勝ち越し口火二塁打
「DeNA3-4阪神」(10日、横浜スタジアム) またリードオフマンの一発が勝利への道しるべとなった。プレーボールの余韻が残る中、阪神・近本光司外野手(29)は迷いなく強振。その迷いのなさが最高のスタートにつながった。 【写真】顔歪むほどの強振 打球は右翼ポール際のスタンドへ 「きょうはもう、思い切っていくって決めていたので」と初回、先頭の打席に向かった。初球から積極的にスイングし、カウント1-2に。追い込まれた状況だったが、5球目、東のツーシームを振り切った。打球は右翼ポール際、スタンドギリギリに飛び込んだ。通算11本目となる先頭打者弾で先制。初回先頭打者本塁打はあと1本で今岡誠に並ぶ球団4位タイに到達する。この一撃が森下と並び球団トップタイの今季5号になった。 「狙い球がどうとかヒットを打てるとかじゃなくて、しっかり思い切っていけるかどうか。メンタル的にいけないときもありますけど、きょうは思い切っていけたのがよかった。結果どうこうより」。力強く、迷いなくスイングできたことに納得の表情を浮かべた。 同点の六回には先頭で2球目の外角スライダーを右線への二塁打とし、チャンスメーク。2点を勝ち越す口火打となった。打線は左腕にスライダーで空振りを奪われていたが、狙ったわけではないという。「狙い球がどうとかではなくて、思い切っていけるかどうか。ストレートだから、スライダーだからではなくて、思い切っていけるかどうか」。何度も繰り返した「思い切って」という言葉が、この日の打撃のキーワードだった。 チームは接戦を制し、3連敗、首位陥落を阻止。近本が一発を放った試合は、昨年の8月10日・巨人戦から8戦8勝と吉兆の合図ともなっている。ただ、この日試合ではDeNA・宮崎の頭部に打球が直撃し、担架で運ばれるアクシデントも。「勝つに越したことはないですけど、いろんなことがあったので、僕の口から言うことはあんまりよくないのかなと」と相手への思いやりも忘れなかった。頼れる1番打者が残り2戦もいい流れを呼び込む。