「実は、3回も空き巣に入られたんです」都内一等地の戸建に住む70代女性が衝撃告白…当てはまったら要注意な〈空き巣に入られやすい家〉の特徴【土地家屋調査士の助言】
警察庁の発表によると、令和5年の住宅対象侵入窃盗(いわゆる空き巣)の認知件数は1万7,469件だそうです。これは、1日あたり約48件の空き巣が発生している計算になります。こうしたなか、土地家屋調査士で心理カウンセラーの資格を持つ平田真義氏いわく、「空き巣を呼び寄せる構造の家」があるそうです。それはいったいどんな家なのか、同氏の著書『住んでる人の性格は家と土地が教えてくれる』(自由国民社)より、事例を交えて紹介します。 【マンガ】貯金2,000万円の45歳・元サラリーマン…“築40年・家賃3万2,000円のボロアパート”で始めた「理想の暮らし」
駅チカにぽつんと建つ家
土地を売りたいと思っている方がいたら、私たち土地家屋調査士にぜひ声をかけてほしいと思います。 土地を購入したい人は、境界がきちんと確定している土地を欲しがるものです。境界がしっかり確定した土地であれば、そうでない土地より多少なりとも有利に取引を進められるはずです。 都内の一等地にある物件を売却するため、「境界を確定したい」という依頼が届いたときのことです。 ご住所を聞くと、駅から近いエリアにあります。さぞかし騒がしいところにある物件なのだろうと想像したのですが、地図で場所を確認すると大通りから1本入っているので、静かそうな印象を受けました。 駅から近いのに静かに暮らせるというのは、理想的な立地です。売却に出したら、きっとすぐに買い手がつくのではないかとも思いました。 しかし、実際に現地に行ってみると、気になる点がたくさん目につきました。 まず、家の四方に建物がありません。その家だけぽつんとそこにあるのです。 四角い土地の北側は更地、そして西と南側は広大なコインパーキングに囲まれています。東側は道路なのですが、道幅が3メートルほどしかない、奇妙なほどに狭い道路でした。 地方に行けば畑の中の一軒家も珍しくありませんが、都内ではこういうぽつんと建っている物件を見ることは滅多にありません。 2階建ての建物からも異様な雰囲気が漂っています。なんといっても違和感を覚えたのは、2階の雨戸がすべて閉まっていたこと。念のため言いますと、その日は雲ひとつない晴天で、私が訪問したときはもちろん昼間。 なんだか建物全体から「近づくな」というオーラが漂っている感じがしました。 インターフォンを押しましたが、この家に住んでいるはずの依頼者さんは出てきてくれません。アポなし訪問をするお隣さんたちと違い、依頼者さんとはきちんとお約束の上で訪れたのに、まさかお留守なのでしょうか? それとも約束を忘れてしまったのでしょうか? 不思議に思って電話をしてみると、なんと依頼者さんは在宅していて、インターフォンを押したのが私だとわかると、玄関から出てきてくれました。 依頼者さんは家主さんの奥さまで、70代くらいの女性です。玄関から出てきたときに、なんだか怯えたような顔つきで、周囲の様子を窺っていたのが印象的でした。 家に招き入れていただいたのですが、玄関を見てさらに驚きが。鍵が3つも付けてあるのです。2つまでなら見ることもあるのですが、鍵を3つも開けないと家に入れないなんて、大変過ぎます。 閉め切った2階の雨戸といい、依頼者さんの態度といい、私は高すぎる塀のある家を思い出しました。自分の存在を他人に知られたくない気持ち、そして人に対する強い警戒心を感じたのです。 お話ししてみれば、依頼者さんはすごく普通の方です。ひと通り測量の打合せがすんだ後は、リラックスした様子で色々なお話をしてくれました。 「そういえば、こちらの玄関は鍵がいくつも付いていますが、ご面倒ではありませんか?」 話の流れでふとそう尋ねたところ、依頼者さんの顔にさっと影が差しました。 「実は、空き巣に入られたことがあるんです……」 「なんと……。それは災難でしたね、恐ろしかったでしょう」 「ええ。それも3回も入られているんです……」 思わず身を乗り出して聞いてしまいました。 「えーっ、3回もですか!?」