アルツハイマー病の新薬「レカネマブ」とは?効果と課題を専門医に聞いた「年間298万円で保険適用」中医協が了承 専門医が解説
認知症アルツハイマー病の新薬「レカネマブ」について、中医協は、患者一人当たり年間298万円とし、公的医療保険の対象とすることを13日に了承しました。厚労省は患者数のピークを2031年度の3万2000人と推計、市場規模は986億円と見込んでいます。期待のかかるレカネマブはどういった薬なのか、どのような症状なら投与できるのか。専門医が解説しました。 【写真を見る】「もの忘れ」と「認知症」の違い…『お昼は何を食べたっけな?』はもの忘れ、『食べたことか自体を忘れてしまう』のは認知症
――認知症で行方不明になった人数は、2012年の9607人だったのが、2022は1万8709人となり10年で倍増(警察庁まとめ)。また都道府県別(2022年)では、最も行方不明者数が多かったのが兵庫県2115人で、2位が大阪府1996人となりました。専門医の花田一志先生(近畿大学病院 もの忘れ診断外来)は、どのように分析していますか。 (花田一志医師) 特に関西が多いとか、関東が少ないということではなく、一般的には都心が多く、地方でしたらコミュニティがしっかりしていて、届け出なくても見つかるというケースが多いです。このデータは「いなくなった後の届け出」を見ているので、埼玉・神奈川・愛知含め都会の方が多い結果だと思います。
アルツハイマー病は、女性が多いというデータ
――年代別の認知症有病率データでは65~90歳まで多くの方が認知症となり、特に女性が多くなっています。 (花田一志医師) アルツハイマー病は、女性が多いというデータがありますし、寿命が長い分だけ、数が多くなるんだろうなとも思うんですけれども、有症率もちょっと多いです。やはりどこかに行ってしまい、いなくなったというケースは多く、見つかるケースも、ガソリンスタンド、コンビニ、24時間開いてるところが多いかなと思うので、そういうところと連携して、地域で見つけていく体制も必要だと思います。
もの忘れと認知症の違いは?例えば「お昼ご飯を食べて…」
――年齢とともに、もの忘れが増えることは実感としてありますが、それと、認知症は何が違うんでしょうか。 (花田一志医師) そうですね、やったこと自体を忘れるか、内容を忘れるかっていうところが大きい。例えば昼ご飯に何食べましたか?と聞かれて、「何を食べたっけな?」というのはもの忘れ。「食べたことか自体を忘れてしまう」とかいうのは認知症。あとは『時間と場所の感覚が少し悪くなる』という特徴もあって、昨日のことと一昨日のことがごっちゃになるとか、そういうこともあります。 ――そんな中、希望の光となるんでしょうか、エーザイなどが開発したアルツハイマー病の治療薬「レカネマブ」です。7月6日にアメリカのFDAで正式承認されました。