アルツハイマー病の新薬「レカネマブ」とは?効果と課題を専門医に聞いた「年間298万円で保険適用」中医協が了承 専門医が解説
「レカネマブ」どんな薬なのか
――どんな薬なのか、アルツハイマー病の発症メカニズムから見ていきます。80歳で発症するとしても、実は50代ごろから繋がっているというのがポイントで、神経細胞の周辺に「アミロイドβ」という物質が蓄積していく。このアミロイドβが増えると、神経細胞の「タウタンパク」に異常が出て、発症に繋がるということです。新薬「レカネマブ」はアミロイドβを減らし、アルツハイマー病の進行を抑えるというものです。 (花田一志医師)病気にアミロイドβが大きく関与しているのは間違いありませんから、そこを減らしてどうなるかっていうのを、これまで繰り返し試してきました。今回「レカネマブ」に一定の効果があるということで承認されたという経緯があります。
症状悪化を27%抑えた この数字どうみる?
――偽薬に比べて、症状悪化を27%抑えたというデータもあるんですがこの数字は。 (花田一志医師)正直もうちょっと抑えてほしいな、というのが専門家の間でもあります。でもアミロイドをなくすことによって進行を抑えられるという事実が、やはり大きいと思っています。これまでの薬は、アミロイドβの塊みたいなものを除去できるんですが、小さいのは除去できなかったんですね。今回は、ちいさいのも除去できるとなってまいりましたので、効果が高いんじゃないかとされています。 ――では、いつから薬を採れるのか。アミロイドβがたまっていることが条件になりそうだけれども、その判断が大変で、確かめる方法として髄液検査、これは保険適用だけれども体への負担がある。あとPET検査、これは保険適用がなくて、20~30万円するんですね。
値段はどうなる?日米とも年間300万円くらいか?
(花田一志医師)今、保険適用は髄液検査だけになります。背中から針を刺して、中の液を抜いてアミロイドがどれくらい含まれているか計算するんですけれど、聞いての通り体に負担があるというのと、できる医者が限られてくる、やはりテクニックが要りますので難しい。また、PETはお金はかかるし、施設も少ない。 ――薬は2週間に1回の点滴投与ということになります。そして値段です。薬価が高いアメリカでは承認前で年間約350万円、日本でもそれなりの金額になるのではないかということですが・・。 (花田一志医師)まだ発表がないのでいかんとも言いがたいんですが、アメリカで年間350万円で、承認後は少し下がるというふうにされています。大体300万円ぐらいでしょうか、全くわかりませんが、大体日本も横並びになりますので、それぐらいかなというふうに思います。 (2023年7月11日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)