ジャン・ルノワール、生誕130周年記念特集9月6日から開催 監督作19本、ドキュメンタリー3本を上映
今年生誕130周年を迎えるジャン・ルノワールの監督作品や関連作を上映する特集「生誕130周年記念特集 ジャン・ルノワールの現在をめぐって」が、9月6日~10月6日に東京日仏学院エスパス・イマージュで開催される。 オーソン・ウェルズ、イングリッド・バーグマン、フランソワ・トリュフォーら世界の映画人から「映画史上最も偉大な映画監督」と評され、現在に至るまで多くの映画ファンたちに愛され続けているジャン・ルノワールの監督作19本と貴重なドキュメンタリー3本を紹介する。本特集ではパリのシネマテーク・フランセーズなどの協力のもと「ゲームの規則」を4Kレストア版で初上映する。 「映画生誕」の前年、1894年に画家ピエール=オーギュスト・ルノワールの次男として生を受け、いまだ揺籃期にあった映画を20世紀の代表的な芸術にまで高め、後世の映画監督へ大きな影響を与え、映画表現の改革者とも位置付けられる。「ピクニック」「大いなる幻影」「ゲームの規則」「河」「フレンチ・カンカン」など、人間の持つ多様性を包み込む独自の視点で、スタイルにこだわらないスケールの大きな作品を残した。 そんなルノワールを記念碑的存在として崇めるのではなく、つねに変化し続け、国境、時代を越え続けた「映画(シネマトグラフ)の市民」ルノワールの”現在”を確認すべく、上映以外に、映画監督の濱口竜介ら、豪華ゲストによるトークイベントを開催。また9月22日にはフランスから映画教育の専門家ナデージュ・ルレ氏を迎え、「マッチ売りの少女」をめぐる「こども映画ワークショップ」が予定されている。 ▼濱口竜介監督コメント générosité(ジェネロジテ)という「気前のよさ・寛容さ」を意味する言葉を目にするたび、ジャン・ルノワールのことを想起する。ジェネロジテは、真に「何かを生み出す」うえで必須のものだ。にもかかわらず、これを有している映画人を彼以外に思いつくことができない。一方で「演技指導」や「撮影風景」を見れば、演技の質を峻別する彼の鋭敏さと厳密さに驚嘆するしかない。ジャン・ルノワールは、徹底して矛盾を生きる。観客の責務と愉悦は、この矛盾に立ち会い、戸惑い、飛び込むことに存する。 ▼開催概要 イベント名:生誕130周年記念特集 ジャン・ルノワールの現在をめぐって 主催:東京日仏学院 会期:2024年9月6日(金)~10月6日(日) 会場:東京日仏学院 エスパス・イマージュ (〒162-8415 東京都新宿区市谷船河原町15) 公式HP:https://culture.institutfrancais.jp/event/cinema202409061006 料金 :上映のみ一律1,100円、トーク付上映一律1,500円(9月22日(日)こども映画ワークショップは中学生以下500円) Peatix(https://ifjtokyo.peatix.com/events)にてチケット発売中。 ▼上映作品 <ジャン・ルノワール監督作品> 「マッチ売りの少女(1928)」 「牝犬」(1931) 「素晴らしき放浪者」(1932) 「トニ」(1934) 「ランジュ氏の犯罪」(1935) 「ピクニック」(1936) 「どん底」(1936) 「ラ・マルセイエーズ」(1937) 「ゲームの規則」(1939) 「この土地は私のもの」(1943) 「南部の人」(1945) 「浜辺の女」(1946) 「河」(1950) 「黄金の馬車」(1952) 「フレンチ・カンカン」(1954) 「恋多き女」(1956) 「コルドリエ博士の遺言」(1959) 「捕らえられた伍長」(1962) 「ジャン・ルノワールの小劇場」(1970) <関連作品> 「ジャン・ルノワールの演技指導」(1968) 「現代の映画作家 ジャン・ルノワール 第3部 規則と例外」(1966) 「『ピクニック』の撮影風景」(1994)