妻が専業主婦で夫の年収が「800万円」と、共働きで世帯年収が「800万円」では世帯年収は同じなのにもらえる年金額が違うと聞きました。本当でしょうか?
年金額を増やす方法
共稼ぎ世帯と比べて、妻が専業主婦の世帯の年金額は少なくなりますが、今から老後に備えて増やす対策を検討できます。主な方法は以下のとおりなので、可能な範囲内で取り入れてみてください。 ●60歳以降も働く ●iDeCoやNISAを活用する 以下で、それぞれについて解説します。 ■60歳以降も働く 60歳で定年退職をしたとしても、70歳まで厚生年金保険料を納めれば将来の年金額に反映されます。老齢厚生年金の受給額は、被保険者期間や収入をもとに計算し、働いた分だけ年金額を増やせるからです。 現在の年金見込額では老後の生活費の工面が難しそうとなったら、再就職や再雇用などで働いて厚生年金被保険者になることを考えてみてください。 ■iDeCoやNISAを活用する iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISAを活用することで、公的年金の不足分を補える可能性が高いでしょう。iDeCoは自分で拠出した掛金が全額所得控除となり、さらに運用益が非課税、受取時に税制優遇を受けることが可能です。 NISAは2024年1月に開始した少額投資非課税制度のことで、制度の詳細は図表1を参考にしてみてください。 【図表1】
金融庁 NISA特設ウェブサイト「NISAを知る」より筆者作成
老後の安心を得るために年金額を増やす方法を検討しておこう
厚生年金被保険者の夫に扶養されている専業主婦は、原則として老齢厚生年金を受け取れません。受け取れるのは老齢基礎年金のみとなり、夫婦それぞれが老齢厚生年金を受け取れる共稼ぎ世帯と比べて年金額が少なくなることを避けられないでしょう。 年金額が少なくて老後の生活費を用意できるか不安な場合は、定年退職を迎える前などに適切な対処法を検討しておくと安心です。また、可能であれば専業主婦である妻が働いて厚生年金被保険者になるのも年金額を増やすことにつながります。 出典 日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額 日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額 厚生労働省 令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト iDeCoってなに? iDeCo(イデコ)の特徴 金融庁 NISA特設ウェブサイト NISAを知る 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部