夢があった“ザ・インディー”木髙イサミと棚橋弘至の初対決。エル・デスペラード主宰興行に出場してBASARA代表が思うこと【週刊プロレス】
エル・デスペラードが主宰した6・10後楽園の「DESPE-invitacional(デスペ・インビタショナル)」は、さまざまな夢の顔合わせを生んだ。そのなかの一つが、第0試合で実現した棚橋弘至&矢野通&井上京子vs宮本裕向&木髙イサミ&DASH・チサコ。これは第0試合のマッチメークを矢野に託したところ実現した組み合わせだが、新日本とヤンキー二丁拳銃(宮本&イサミ)の絡みは新鮮だった。 【写真】BASARAのFUMAvsイサミ
二丁拳銃といえば、文字通り“どインディー”から成り上がった2人。あらゆる団体に上がって闘い続け、デスマッチで名を上げ、メジャー団体に出場することも珍しくなくなったが、唯一、遠かったのが新日本。新日本とは別枠のリングながら、二丁拳銃が棚橋&矢野と闘う姿はまさに“思えば遠くへ来たもんだ”である。 ここではイサミに話を聞いた。イサミは棚橋との初対決に「これが日本トップクラスのヘビー級の選手なんだな、と感じました」と語り、こう続けた。 「そういう世界線もあるんだなという。昔から考えたら、僕と棚橋さんがリング上で会うということは、絶対考えられないことだったと思う。それがデスペラード選手の興行とはいえ実現するんだから、何がどこでどうなるかというのは、まだまだわからないですよね。自分で言うのもなんですけど、僕なんかは“ザ・インディー”ですからね。インディー中のインディーなので、そういうこともあり得るというのは夢がある話ですよね」 イサミ個人で言えば、新日本とは昨年、3・1後楽園の「ジュニア夢の祭典」に出場し、その後、BASARA7・23後楽園でSHOと一騎打ちもおこなった。点を線にしてきた過去があるのだ。 「たまたまと言えばたまたまなのかもしれないですけど、絡む機会が増えてきたのかな。BASARAは僕だけじゃないので、ほかの若い選手たちも積極的に絡めたら一番理想的なんでしょうけどね。いまでも僕だったり二丁拳銃だったりの需要があって、いろんなところに呼んでもらっていろんな選手と対戦するので、それをせっかくなので点にはしたくない。それこそBASARAに還元する、もしくは線に変えて、自分の経験値に変えていく」 会社の規模は違えど、イサミもBASARAの社長という立場だからこそ、夢は広がりやすくなっている。 「昔じゃできなかったのかなという気はしてるんですよね。いまのほうがはるかにやりやすいし、動きやすい。代表業をやっていて、他団体の選手に出てもらうにも交渉したりするわけじゃないですか。そういう面では、スキルとして交渉とかはしやすくなっている。たとえばDDTグループにいたら髙木(三四郎)さんに相談していたけど、いまだったら『やりたい』と思ったら、自分で動けるので。もちろん選手間との会話だけじゃなくて、会社同士の会話になることもあるけど、それもできるので。逆にいまのほうが、いい意味で自由という気はします」 イサミが棚橋と対戦するなど、一昔前なら考えられなかった。だからこそ、今後も“驚き”を提供したい。「ファンの人も『本当にそんなことあるのかよ!?』というのを実現させるのが面白い」と、イサミは言った。 <週刊プロレス・奈良知之>
週刊プロレス編集部