VENTENY Lamborghini GT3が15番手から逆転で今季2勝目。首位走行のmuta Racing GR86 GTはペナルティに泣く【スーパーGT第7戦GT300決勝レポート】
10月20日、大分県のオートポリスで2024スーパーGT第7戦『AUTOPOLIS GT 3Hours RACE』の決勝が開催され、GT300クラスは88号車VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)が15番グリッドから逆転で今季2勝目を飾った。 【写真】2024スーパーGT第7戦オートポリス GT300クラスの表彰式 今年も唯一の九州決戦となる2024スーパーGT第7戦は、土曜日の走行セッションが悪天候によりすべてキャンセルとなり、急きょ日曜日に予選・決勝を行う“ワンデー”で開催された。続く決勝はオートポリス初の3時間レースとポイント×2kgのサクセスウエイトなど、例年とは異なる形式で行われる。 迎えた決勝はレーススタート前までに晴天に恵まれたが、13時20分のフォーメーションラップ開始時の気温は17度、路面温度は24度と少し肌寒いコンディション。GT500クラスに続いて幕が上がったGT300のレースは、UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIの片山義章に後続が襲いかかり、D’station Vantage GT3が3番グリッドからトップを奪う。 さらにリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R、K-tunes RC F GT3もUNI-ROBO FERRARIをかわし、片山は4番手に後退となる。後方ではチャンピオンシップを争うmuta Racing GR86 GTが他車と接触があったか最後尾にポジションを下げてしまう。 レース5周目終わりには、早くもGreen Brave GR Supra GTが2回の給油義務を消化するためにピットイン、タイヤ無交換でレースに復帰していく。一方で上位勢は2番手争いが勃発し、K-tunes RC Fの高木真一がリアライズGT-Rのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラを捉えて順位を上げた。 ペースの上がらないオリベイラに対し、今度は7番グリッドから追い上げてきたLEON PYRAMID AMGの蒲生尚弥が迫ると、オーバーテイクを決めて3番手に。その前方ではトップのD’station藤井誠暢とK-tunes RC F高木がテール・トゥ・ノーズのバトルを展開し、10周目にK-tunes RC Fがクラストップに躍り出る。 レースが30分ほど経過するとブリヂストン勢が調子を上げはじめ、D’stationを先頭にLEON、apr LC500h GTの3台による2番手争いが激化。D’stationの藤井が粘りをみせるも、apr LC500hの小高一斗がGT500の車両を活かして2番手を奪う。 レース24周目にはGT500のストップ車両によってフルコースイエロー(FCY)とセーフティカー(SC)が導入。28周目のリスタート後、各車が1回目のピットストップを終えた後には、序盤に最後尾まで後退したmuta GR86が早めのピットが功を奏してクラストップに躍り出る。 2番手にはマッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号が上がり、apr LC500h GTが3番手とGTA-GT300車両がトップ3を占める展開に。2度目のSC開けの混走バトルでも藤波清斗が活躍をみせたマッハ号は43周目に2度目のピットイン、塩津佑介に第3スティントと託すが、その後にまさかのガレージインで戦線離脱となってしまった。 トップのmuta GR86は48周目に2度目のピットに向かい、平良響から堤優威に交代するフルサービスでレースに戻る。しかしその後、muta GR86は2度目のSCリスタート時に手順違反があったとしてドライブスルーペナルティが科されてしまう。代わってトップに立ったのは2度目のSC直前ピットインでアドバンテージを得たVENTENY Lamborghini GT3となる。 2番手にはUNI-ROBO FERRARIが上位に再浮上するも、ドライブスルーを消化したmuta GR86の堤優威が背後に迫る。すると74周目のセクター3で堤がオーバーテイクを決め2番手にポジションアップ。選手権ポイントのダメージを最小限に抑えることに成功する。 UNI-ROBO FERRARIはタイヤ摩耗が厳しいのかペースが上がらず、76周目に緊急ピットインとなり、3番手にK-tunes RC Fが浮上する。しかしレース86周目にSUBARU BRZが第2ヘアピンでクラッシュを喫し、FCYから4回目のSCが導入。そのSC中にGT500車両がストップしたためレースはSCチェッカーとなり、VENTENY Lamborghiniが第2戦富士以来の今季2勝目を手に入れた。 muta GR86は追い上げ届かず4秒差の2位フィニッシュ。3位にはK-tunes RC Fが続き、2022年からの新田/高木コンビ再結成後、初の表彰台を獲得している。4位に22番グリッドから脅威の追い上げをみせたStudie BMW M4(荒聖治/ニクラス・クルッテン/ブルーノ・スペングラー)、5位にD’station Vantage GT3、6位にランキングトップのLEON PYRAMID AMGが続いている。 [オートスポーツweb 2024年10月20日]