少数与党の石破首相が今年直面する3つの「壁」 乗り越えた先に衆参ダブル選も!?
予算成立という難所を越えたとたんに「党の体制を刷新しないと参院選を戦えない」(西田昌司参院議員)という交代圧力が吹き出す可能性はある。平成13年、当時の森喜朗首相は「参院選を戦えない」との声の高まりを受け、予算成立後の4月に内閣総辞職した。反石破の参院議員は「石破さんにはボロボロになっても予算を通し、退陣してもらう」と語る。
■内閣不信任案の壁
今春の退陣を回避した場合、通常国会会期末が近づく6月ごろ、野党が内閣不信任決議案の提出を検討する流れになる。野党各党が一致すれば不信任案を可決し、首相に内閣総辞職か衆院解散を迫ることができる。
立憲民主党の野田佳彦代表は先月17日の講演で「自民内でどういうことが起きているか、公明はどういう動きをするのか、野党が一本化に向けて動けるのかどうかなどの総合判断をして抜くべき刀だ」と語り、情勢を見極める考えを示した。
提出、可決される情勢になれば、首相が対抗策として衆院解散による衆参ダブル選を仕掛ける理由になる。低支持率の現状では否定的な見方が大勢だが、「政界、一寸先は闇」である。(田中一世)