「そうだ難民しよう!」の漫画家がイラスト集発売へ
「そうだ難民しよう!」と書かれたイラストを発表し、国内外で議論を呼んだ漫画家のはすみとしこさんが来月、「そうだ難民しよう!はすみとしこの世界」と題したイラスト集を発売することが6日、分かった。 出版元となる青林堂(東京都渋谷区)は取材に対し、「12月に、はすみとしこさんのイラストが含まれる本を出版することは事実だが、担当者が不在のため本の詳細については答えられない」と話した。
同社公式twitterによると、発売日は12月17日。予約を受け付けているamazonの売れ筋ランキングでは6日午後5時時点で、すべての本の中で4位、社会・政治部門1位となっている(1時間ごとの更新)。amazonの情報によれば、本は48ページで972円。「今ネットで最も熱い人物、はすみとしこの初イラスト集!」との内容紹介が記されている。 はすみとしこさんは9月、Facebookページ「はすみとしこの世界」に難民の少女のイラストを掲載。イラストには「何の苦労もなく生きたいように生きていたい他人の金で。そうだ難民しよう!」などの言葉が添えられており、SNSを通じて広くインターネット上に拡散すると「レイシズム(人種差別)ではないか」などの批判が沸き起こった。 インターネット上で署名運動ができるサイトChange.orgには、Facebook上のイラストを消すよう求める署名に1万3千人以上が賛同。騒動は国内メディアのほか、英BBCや、米ワシントン・ポスト紙でも報道された。イラストは国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」が撮影したシリア難民の少女の写真に酷似しているとして、写真の撮影者からの申し立てを受け10月7日に削除されている。 はすみとしこさんはSNS上で「ホワイトプロパガンダ漫画家」と自称しており、Facebookページ「はすみとしこの世界」では、中国や韓国の歴史認識を揶揄するイラストなどを掲載している。 青林堂はかつて漫画雑誌「ガロ」の出版で知られた出版社。近年は漫画「日之丸街宣女子」や「新版 朝鮮カルタ」などを出版し、その内容が差別的だとして一部から批判を浴びていた。