木村多江さんが10年苦しんだ【死別の悲しみ】…「子育てにも影響があった」|美ST
母になって気づいた自分の甘え「都合の良いときだけママの肩書きを利用してない?」
子育てをしている中でほかにも気づきがありました。「私は自分の都合で、時には俳優、時にはお母さんという肩書きを利用してるんじゃないか、どちらかが都合が悪くなったら一方の肩書きに逃げる、そんなことをしているんじゃないか」と気づいたんです。 「何も肩書きがなくなった私はどうなんだろう。母親としてすごいことはなんにもできないし、俳優として素晴らしいかというとそうでもない。妻、母、俳優、そのどれでもなくなった私って空っぽなんじゃないか?」。そう思ったときに自分の中身をどれだけ豊かにしていくか、潤していくかが大事なんだと思いました。 私のまわりには祖母をはじめ、70代のお友達や素敵な先輩方がたくさんいらっしゃる。そういう方たちを見て「自分のエゴイズムが出ないようにしよう」「謙虚でいよう。でも保守的にならないようにしよう」といったことを改めて意識しています。私は役のイメージからか、おとなしそうと思われることが多いけれど、ホントは割とロックなんですよ(笑)。
年齢が増えるのはダイヤのカラットが増えるということ。 その重みに見合う内側の豊かさを育みたい
Netflixシリーズ「忍びの家 House of Ninjas」ではアクションもやるとお引き受けしたはいいものの、アクション練習があまりにもすごくて(笑)。初日に「はい、前転して」「後転して」「側転して、はい受け身」って言われて、いきなりのスパルタにびっくり。でもやってみたら意外にできるんですね。最初は50代の私にはちょっときつすぎるかも、無理かもしれないと思っていたんですが「あれ?普通にできる!」って嬉しかった。 「50代だからできない」なんて先入観はいらない、年齢のせいでできないなんていうのは思い込みだと痛感しました。だからこれからもやりたいことをやろうと思いましたね。 今も海外の方なんかとお仕事する機会があるんですけれども、さらに仕事の場を広げていきたいっていう思いはずっとあります。私は好奇心も強いので日本のシステムだけじゃない、いろんなシステムや作り方を見てみたい。保守的にならずに挑戦していくというのは私の永遠の課題です。