心が身体にマイナス効果もたらす「ノセボ効果」、避けるためのアドバイス
誰に起こるのか? 避けることはできるのか?
たとえば、あなたの主治医がまったくの善意から、あなたの薬や治療に関する否定的な転帰(不快な副作用や原因不明な無効性など)について、意図せず話してしまうことを想像してほしい。この意図されていないメッセージは、あなたの心と神経伝達物質が、不快な症状が出現する合図であると解釈するかすかな暗示となるかもしれない。同じことは、自分の健康状態について自分自身が否定的な期待を持ち続けることによっても起きる。このことは、医療の実践における前向きな考え方の必要性を強調すると同時に、悲観的な考え方の危険性にも光を当てている。 ■誰に起こるのか? 避けることはできるのか? ノセボ効果の影響は人によってまちまちであり、特定の行動や性格タイプによって影響を受けやすい人がいる。Australian and New Zealand Journal of Psychiatryの研究は、特定の性格型の人、具体的には神経症的傾向、悲観的およびタイプA行動パターンの人に、ノセボ効果を発現しやすい傾向があることを示唆しており、医療やそれに関連するコミュニケーションにおける個人に合わせたアプローチが必要であることを示している。 健康管理は困難なことであり、心配性、ストレス性、消極性といった傾向のある人にはさらに厄介なものになる。悲観的なものの見方は、知らず知らずのうちに健康に有害な影響を及ぼす可能性がある。ネガティブになりがちな人は、より強くノセボ効果を経験するかもしれないためだ。人間の心は無意識のうちに、期待にもとづいた健康状態を作り上げる。自分の否定的傾向を理解することで、健康に気を配りながら、より肯定的で回復力のある今後を積極的に作り出すことができるだろう。 ■神経症の傾向がある人たちへのアドバイス ・オープンなコミュニケーションを受け入れる 心配なことや恐ろしいことを医療従事者に隠さず話そう。ためらわずに質問すること。あなたの健康なのだから、それについて知る権利があなたにはある。 ・安心を求める 受けている治療のプラス面に集中すること。多くの副作用は対応可能であり、医療チームはあなたを助けるために存在していることを思い出そう。 ・支援ネットワークを作る 友達や家族の支援ネットワークで自分を包みこもう。あなたを理解し勇気づけてくれる人々がいることで、あなたは大きな変化をもたらすことができる。