目力強めの迫力スタイル サイズを超えた存在感 スズキ・フロンクス CARストーリー
目力あふれる二段式ヘッドライトで力強い存在感を放つのがスズキのフロンクス。4月に販売を終えたエスクードの後継としてデビューした。インドで生産され日本には輸入車という形をとる。日本人の厳しいチェックに耐える高級感ある仕上がりで販売も好調だ。レザー調のツートンカラーのシートや本革のステアリングなどインテリアの質感も高い。〝次のステージに走り出せ〟。スズキの決意にも思える意欲作フロンクスに試乗した。 軽自動車のイメージが強いスズキだが、イグニスやエスクードなど、小型SUVでも魅力的な車種を展開してきた。インドではシェア40%を超えるトップメーカーで、ブレッツァやXL6など日本にはないSUVをラインアップする。 フロンクスは全長3995ミリ、幅1765ミリとコンパクトなボディーだが1550ミリと低く抑えた車高で、迫力あるスタイルを生み出した。 一番の特徴ともいえるのが2段式ヘッドライトだ。上段がスモールランプとウインカーを担う「デイタイムランニングランプ」。ヘッドライトは下段の三つ目のLEDユニットで、上がハイビーム、下がロービームというユニークなレイアウト。LEDになって設計の自由度が高くなり、個性的な表情のクルマが増えるのはいい傾向だろう。バンパーやボディーのプレスラインもエッジが効いていて高級感がある。 エンジンは1・5リッターの4気筒にマイルドハイブリッドを組み合わせた1グレード。FFと4WDがあり雪国での需要にも応える。 インテリアも上質だ。レザー調とファブリックを組み合わせたツートンのシートは、厚みがあり座り心地がいい。シートヒーターが標準なのも寒い冬にはありがたい。本革巻きのステアリングはメッキパーツがあしらわれ、パドルシフトも装着される。 スイッチが多いのもこのクルマの魅力だ。センターコンソールやダッシュボードに所狭しとボタンが並ぶ。最近は液晶パネルで操作する車種が増えたが、一目で操作がわかるのはありがたい。 試乗したのは4WD、99馬力と最近のクルマとしてはパワーは控えめ。シフトをドライブに入れ走り出す。足回りがしっかりしており、路面の細かい段差を拾ってコツコツした動きをするがボディー剛性が高く乗り心地はいい。