なんと6850万円! ランボルギーニ「ウルス」の始祖!?「LM002」はスタローンやティナ・ターナーも所有したかつての不人気車…いまや注目株です
今後の人気も衰えることなし
2024年5月31日~6月1日にRMサザビーズがカナダ・トロントで開催したオークションにおいてランボルギーニ「LM002」が出品されました。1988年にスウェーデンに納車され、その後イタリアのボローニャ近郊にあるフェルッチオ・ランボルギーニ・ミュージアムで展示されていました。2015年6月にはオランダで登録されたのち、イギリスに輸入され、現在のオーナーの手元にやってきた1台です。 【画像】走行距離は1万7237キロ! コンディション抜群のランボルギーニ「LM002」を見る(全60枚)
もともとはミリタリー用の高機動車プロトタイプだった
「ウルス」の誕生で、再びその存在がクローズアップされるようになったランボルギーニの高性能オフローダー、「LM002」。そもそもの起源が、アメリカのMTI(モビリティ・テクノロジー・インターナショナル)から依頼を受けたミリタリー用の高機動車プロトタイプとして1台のみが製作された、「チータ」にあったことはランボルギーニの歴史に詳しい人には多くの説明を必要としない。 チータのアメリカ軍への納入計画、そしてほぼ時を同じくして進められていたBMWのE26(M1)のランボルギーニでの生産計画が挫折したことで、同社は壊滅的な経営困難に直面した。イタリア政府による管理を受ける身となってしまう。 だが幸いにもこのようなランボルギーニのすべての株を買い取った人物がすぐに現れた。それはフランス人の実業家であるパトリック・ミムランで、社長の座に収まった彼は主力モデルの「カウンタック」をさらに進化させたほか、「ジャルパ350」、そしてここで紹介するLM002の商品化にも成功したのである。 LM002の商品化までには、さまざまなプロトタイプが生み出されている。1981年のジュネーブ・ショーではパワーユニットにAMC製の5.9L V型8気筒エンジンをミッドシップした「LM001」が披露され、さらにランボルギーニが「カウンタック LP500S」に採用していた4.7LのV型12気筒エンジンを操縦安定性の問題からフロントに搭載した「LMA」、やはりプロトタイプとして製作された。