大口ヒモ付きアルミ地金1~3月積み価格、10円高の470円
店売りアルミ圧延品価格の指標である大口ヒモ付きアルミ地金の来年1~3月積み価格(基準価格)が10~12月期比10円高のキロ470円になることが決まった。秋口以降のアルミ地金相場上昇を反映したもの。2022年7~9月期に記録した480円に迫る水準。 板や押出材といったアルミ圧延品の国内市況は、圧延メーカーが製品販価の指標とする大口ヒモ付きアルミ地金価格(基準価格)の上下が市況変動に影響する。基準価格は、LME価格に連動する毎月の国内地金価格の平均値を活用したもので、25年1~3月積みは24年9~11月の3カ月間の平均数値に船賃の10円を加算した数値となる。なお10~12月積み価格は460円となっている。 国内のアルミ地金相場は24年、年初に380円台の安値で推移していたが5月には480円台まで上昇。その後8月に420円台に反落したものの、そこから再び反発局面にある。今回の価格算定期間である9~11月の単月平均価格は9月が430円台、10月が470円台となり、11月も480円台の高値を付けた。こうした動きを受け、来年1~3月積み基準価格は470円になることが決まった。 アルミ地金価格の上昇はメーカー、流通にとって在庫評価がプラスに働く点では好材料になる。しかしながらアルミ以外の材料に素材転換するリスクもあるため「あまりに上昇し続けるのはよくない。一昔前の250円というのが心地よい水準だった」(流通筋)という声も聞こえる。一部流通はメーカーなどの加工賃改定分を来年2月から販売価格に上乗せすると公表しているため、年明け相場は強含みとなりそうだ。