なぜ阪神の岡田監督はMVPの村上頌樹ではなく青柳晃洋を2年連続の開幕投手に指名したのか…球団激励会で3.29巨人戦先発を発表
阪神の開幕投手が2年連続で青柳晃洋(30)に決定した。各紙の報道によると岡田彰布監督(66)が7日、大阪市内で行われた球団の激励会で明言したもの。なぜ岡田監督は、昨季の最優秀防御率タイトル&MVPの村上頌樹(25)ではなく青柳を3月29日の巨人戦(東京ドーム)の先発に指名したのか。指揮官の狙いを検証してみた。 【画像】「ノーバンに見えた!」乃木坂46の向井葉月さんが西武始球式で感涙
岡田監督は“約束”を覚えていたらしい。 昨年オフの球団納会で「本当はここで来年の開幕投手を言おうと思ったけど、今日はやめときますね。今(開幕投手と)目が合ったんだけど。来年の激励会にしておきますね」としていた約束通りに激励会で「3月29日は青柳で、タイガースはスタートしたいと思う」と明かした。 「日本シリーズからの連投になるけど大丈夫かな?」とのジョークも忘れていなかった。2023年の阪神の最終試合となるオリックスとの日本シリーズ第7戦に岡田監督は「青柳で始まって青柳で終わる」と、開幕投手だった青柳を指名。青柳は、後先を考えずに最初から飛ばして5回途中まで無失点の好投で日本一のかかっている重要なゲームの先発の役目を果たしている。 岡田監督には開幕投手の選択肢がいくつかあった。昨季の最優秀防御率タイトル&MVPで18年ぶりの優勝と38年ぶりの日本一の象徴となった村上に大型右腕の才木浩人。沖縄キャンプの総括の時点で「だいたいの考えはある」としながらも「絶対にこいつというのもないし、誰でもいいと言えば不平が起きるけれど、それだけ力が拮抗している」と決めかねている悩める心境を明かした。 「(決めるのは)もうちょっと後。(3月の)半ばを過ぎてから。甲子園投げてからやな」 まだ青柳は練習試合で1試合投げただけ。臀部に張りが出てペースダウンした。今日8日のヤクルト戦で3、4イニング投げる予定で、本来であれば、10日までの甲子園での試合をすべて見た上で、正式決定をしたかったのだろうが、ここまでのブルペンからの報告に加え、約束事を守る律儀な性格だけに激励会で「だいたいの考え」を明かしたのだろう。 阪神OBで1985年の優勝&日本一シーズンで開幕投手を務め、翌年には青柳と同じく2年連続で開幕投手に指名された評論家の池田親興氏は、青柳の開幕抜擢をこう読み解く。 「岡田監督のまるで将棋の駒を動かすような先の展開を見ての抜擢だと思う。岡田監督の“絶対にこいつというのはない”という発言は正直だ。村上の実績は、まだ1年。プレッシャーもあるだろう。青柳は優勝したチームの中で途中二軍落ちを経験するなど悔しい思いをした。今年にかける気持ちは相当なものがある。私も2年連続の開幕投手に指名された1986年がそうだった。キャンプから開幕の座を狙っていた。おそらく青柳も、その気持ちだったと思う。開幕を任せることで最も刺激を受けて、意気に感じて投げるのは青柳。岡田監督の投手心理をくんだ的を射た抜擢だろう」
【関連記事】
- 阪神の岡田監督「80点」キャンプに誤算はあったのか?
- 阪神の岡田監督と中日の立浪監督を悩ますWBCが縁のメジャー流フォーム改造…湯浅京己は“2軍落ち”で高橋宏斗は元の鞘へ
- LAメディアが賛否ある大谷翔平の電撃結婚“秘密主義”をプライバシーを暴露されスピード離婚した羽生結弦の例に重ねて理解を示す…「違和感残る結婚発表の仕方も日本文化を知れば理解できる
- 【独占】「“打倒阪神”なんておこがましい」中日の立浪監督が語った岡田阪神との“違い”と29ゲーム差敗戦の中に見つけた最下位脱出のヒント
- 【独占】どうする?「今永の穴」と「バウアー問題」を横浜DeNA三浦監督に聞く…「現状彼がいないという前提で準備している」