568日ぶり勝利逃すも先発に生き残った斎藤佑樹は次勝てるのか?
日ハムの斎藤佑樹(27)が6日、ZOZOマリンで行われたロッテ戦に今季初先発、5回と3分の0を投げて6安打3失点で負け投手となり、ロッテのドラ1、佐々木千隼(22)に投げ負けたが、栗山監督は「方向性とやっていることは間違っていない」と高く評価。試合間隔の関係で一度、登録を抹消されそうだが、ローテには生き残った。次こその復活白星は見えたのか。それとも? 最大13メートルのマリン名物の強風を味方につけた。ここの強風は、上空を舞うものと、グラウンドレベルに強く吹き、バックネットにぶつかって跳ね返って向かい風になるものなど多種多様で難解だが、この日は最も厄介な地を這う向かい風だった。だが、斎藤佑樹には計算のできる風だったという。 「何回か投げているが、風で使える球も多く、苦手意識はなかった」 ZOZOマリンは、過去5試合に登板して3勝0敗、防御率2.86のお得意球場である。 向かい風がボールの回転に抵抗を与えてくれるため“2017年型斎藤佑樹”が代名詞としているシュート、ツーシームが異常に動いた。その新兵器は、「高めはシュート、低めにいくとツーシームになる」という類のものらしい。しかもこれまでは、コースを狙ってカウントを悪くして甘く入ったものを痛打されるというパターンだったが、発想を転換していた。 「大胆にいった。コースを狙わずとも風で曲がりすぎるほどボールが動くから」 序盤はボールを低めに集めることもせずに三者凡退で立ち上がった。 「高めは(ボールを)吹かせた。低めは、それほど意識していなかった。思い切ってボールでいいと」 2回、4回と、いずれも井上にタイムリーを打たれ2失点。1点のリードを許したが、5回は一死二塁から角中をインハイのシュートでライトフライ。三塁に進まれてからも、続く清田には、シュートを意識させておいてからフォークの3連投。最後は落差の大きいフォークを引っ掛けさせて三塁ゴロに打ち取った。 低め一辺倒の配球ではないから、ロッテ打線は当惑していた。 インサイドの高いゾーンを狙う大胆なシュートが効いていた。 ストライクが常に先行。上位打線は角中のヒット1本だけに抑えこみ、結果的に当たっている鈴木大地には1本打たれたが、4回にはデッドボールでぶつけるほど徹底してインサイドを攻めた。 「甘く入って打たれたくなかった。僕の場合、左打者のインコースを含め、両サイドを攻めないといけないから。インサイドを攻めることは、次につながる」 リスクを伴うインサイドへの配球には、球威と勇気が不可欠である。これまでは、その気持ちを体現できなかったが、風を味方につけたこの日の斎藤は、違っていた。 斎藤は1-2で迎えた6回もマウンドに向かったが、先頭のパラデスを歩かせ、当たっている左の鈴木大地を迎えたところで交代を告げられた。栗山監督は、当初から左の鈴木のところで交代する予定だったという。 試合後、斎藤は「最後が悔いが残る」と残したランナーを悔いた。結局、2番手の公文がつかまったが、斎藤は、3失点でゲームは整えた。