総フォロワー11万人超え。カップルインフルエンサーの実態は?「生活のベースは会社員の給料だから気持ちに余裕」【夫編】
“インスタ映え”に心無い声をかけられたことも
ヨシヒコさん(@yosihiko.f)撮影 ――夫婦やカップルで仕事をするインフルエンサーのメリット・デメリットを教えてください。 僕のアカウントはもともと完全プライベートで、地元の知り合いのみつながっているものだったので、突然つきあっている恋人の投稿をはじめ、どんどんフォロワーが増えていく僕のアカウントを見ていた知り合いから「見るのがしんどい」と言われた経験があります。 ――「見るのがしんどい」とはいわゆる“インスタ疲れ”のようなものでしょうか? そうですね。インスタにはキラキラした“一瞬”を切り取って載せますよね。でも、それが僕の日常だと思った友人たちから「ヨシヒコはかわいい彼女と幸せそうでいいな俺(私)なんて……」「彼女(妻)を載せて自慢したいの?」と言われたこともありました。 インスタ上での自分とリアルな自分との間に、溝ができてしまい、なんとなく地元の友達から遊びに誘われなくなったり、距離をとられたこともありました。 ――嫉妬ややっかみがあったということですね。 僕も妻も顔出しをしているので、そういうところは大きなデメリットだと思います。投稿を始めた当初は、仕事にする気はなかったので、なおさら「リア充アピール」と思われたのかもしれません。今は地元の友達とも和解していて、仕事をしている僕を見てむしろ「どうやって仕事になるの?」と相談を受けるようになりました(笑)。
長く続けるコツは、“趣味の延長”という気持ちを持つこと
ヨシヒコさん(@yosihiko.f)撮影 ――夫婦やカップルで活動していると、公私混同する部分はどうしてもありますよね。実際はどのような感じで行っているのでしょうか? そうですね。たとえば撮影する前に夫婦喧嘩しているケースもあります(笑)。それでも写真は一瞬を切り取ったものだから、美しく見せることができる。だけど、写真が現実世界のすべてだと思う人もいます。 実際は、夫婦で一緒にやっているので、思ったような写真が撮れなかった時になんとなく雰囲気が悪くなることだってあるし、写真の良し悪しでデートを純粋に楽しめないことだってあります。 ――プライベートと仕事が地続きであるがゆえの大変な部分ですね。逆にメリットはありますか? 僕たちは共通のカメラという趣味で出会って結婚したので、そもそも“写真”が好きです。だからこそ、同じ熱量で長く写真を楽しむことができるし、夫婦だからこそ、自然体な写真が撮れると思っています。それに、インスタ経由で請け負った仕事で、収入が増えるだけでなく、旅ができたり、いろんな体験ができたりして、生活や体験の幅が広がるのがうれしいですね。 ――今後はどうしていきたいですか? あくまで“写真好きのふたりがやっている趣味の延長”のスタンスを崩さないようにしたいと思います。 僕も妻のナルミさんも、どれだけインフルエンサーとして収入が上がっても、生活のベースは会社員の給料で、と話しています。ベースがあるからこそ、気持ちに余裕を持って、写真を楽しめると思うんです。 “自分は写真が好き”という初心を忘れずに、今後も家族を撮り続けていけたらいいですね。
取材・文/毒島サチコ