10年ぶりに登場したトヨタ「ランドクルーザー70」は悪路はもちろん街中も乗りやすく操縦の楽しさを味わえる!
ステアリング比は大きめで、小さなコーナーではハンドルをたくさん回さなくてはならないこともあります。アクセルペダルの踏み込み量に対してトルクの出方もあえてゆるやかな設定なので、スムーズな加速のためには、慣れる必要があるかもしれません。 ドアを閉めるときの鉄と鉄がぶつかるような音、鉄板がそこかしこでむきだしの車内、小さなインフォテイメントシステムのモニターなど限られた快適装備…これらも独特の世界を作っています。 ただしこれらは、70を好きになれる特徴です。自分が一所懸命クルマを動かしている感覚が、ほかではあまり味わえないもので、クルマ好きならハマるひとがいても、フシギではありません。荷室がめちゃくちゃ広いのも、アレコレ搭載して…と想像の楽しさを拡げてくれます。 今回から70はいわゆる3ナンバーになりました。2014年のときは1ナンバー登録でした。後者は、メリットとして自動車税・自動車重量税の安さが挙げられる一方、デメリットとして毎年車検や高速料金が3ナンバーより高くなります。乗用車としてなら、3ナンバーのほうが使いやすい、というのが、今回のトヨタの考えです。 「荒野から砂漠、さらには北極から南極まで、ランクルは、歴史上どのクルマよりもさまざまな人生に寄り添ってきたのではないでしょうか」 前出のハンフリーズ氏はそう語っています。一度エンジンに火を入れたら世界の果てまでも、と、かつてフランスのシトロエンのクルマづくりの哲学が説明されたことがあります。いまはランクル70こそ、まさにそれではありませんか。 【Specifications】 Toyota Landcruiser 70 全長×全幅×全長:4890×1870×1920mm ホイールベース:2730mm 車重:2300kg エンジン:2754cc 直列4気筒ディーゼル 駆動:パートタイム4WD(副変速機付き) 最高出力:150kW@3000~3400rpm、最大トルク:500Nm@1600~2800rpm 価格:480万円
<取材・文/小川フミオ>