市場が一目置くウォーシュ氏、米財務長官候補の1人に-豊富な経歴
ウォーシュ氏はコメントの要請に応じなかった。
トランプ氏は過去数カ月間、大統領が金利について発言権を持つことを主張しているが、ウォーシュ氏は2019年にブルームバーグテレビジョンに出演した際、米金融当局の独立性の重要性を強調。米国の中央銀行は「その独立性について警戒を怠らない必要がある」と当時述べていた。
バーナンキ氏の補佐役
ウォーシュ氏は06年に史上最年少のFRB理事に就任したが、「軽量級」とされたレッテルをはね返し、世界金融危機の際には当時のバーナンキFRB議長の補佐役となった。投資銀行での経験を生かし、FRBでは証券会社とのパイプ役を務めた。また、1250億ドルの政府資金注入の見返りとして、財務省が当時の米大手銀行9行に指示した条件の策定にも携わった。
トランプ氏は政権1期目で、イエレンFRB議長(当時)の後任としてウォーシュ氏の起用を考えたが、パウエル氏を選んだ。ウォーシュ氏は理事当時にニューヨーク連銀総裁候補に挙がっていたこともある。
「ケビン・ウォーシュ氏は経済学者ではないが、金融危機の際のFRBで、経済がどのように機能し、政策とどのように相互作用するか多くの経験を積んだ」と、ブルッキングズ研究所財政金融政策ハッチンズ・センターのデービッド・ウェッセル所長は解説。「ウォーシュ氏の主な特技は人との付き合い方であり、うまくやっていくのが得意だ」と話した。
またウォーシュ氏の共和党支持とその人脈は、トランプ氏とその側近にはプラスに映るかもしれない。
原題:Warsh Seen by Markets as Seasoned Candidate to Lead US Treasury(抜粋)
--取材協力:Saleha Mohsin、Joshua Green.
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Viktoria Dendrinou