「新幹線で駅弁を食べたくなる」心理に鍵 子どもが「やだやだ」から「すぐやる」に変わる時間管理術
まどろっこしく思うかもしれませんが、段階的に達成していくうちに、「やる気」が出てくるという脳の報酬系の仕組みを利用するのです。
「心地よい感覚」と組み合わせる
“ちょろい一歩”に、「いやいや、うちの子はそんな戦略にはだまされないのよ」と思われる人もいるかもしれません。 合わせ技をお伝えしましょう。みなさんのよくある状況から考えます。 「新幹線では、ついつい駅弁が食べたくなるんだよね」 「金曜日の夜は、なんだかビールが飲みたくなるんだよね」 こうした特定の状況で、なぜか「やりたくなること」がありませんか?
周りも新幹線でお弁当を食べている。週末にはいつも打ち上げをする習慣がある。そうした周囲の状況から、作り出された文化ともいえます。 しかし、そもそもなぜ文化になったのか? それは、「最初に新幹線に乗って、駅弁を食べた経験がよかったから」ではないでしょうか。心地よかったからこそ、駅弁の習慣が続いたのです。 もし、「全然美味しくない」という経験をすれば、次に新幹線に乗るときには駅弁を食べず、レストランでの食事に変えたかもしれません。 この「心地よい感覚」と組み合わせた心理学の技があります。「レスポンデント(反応)条件づけ」と呼ばれます。 具体的には、「宿題をしていると、なぜか心地いい体験をした」という前例を作って、いい文化=習慣を作るのです。
最後は子供自身で、やる気アップ
我が子にとっての「心地いい体験」は、親のあなたなら、いくつか浮かんでくるのではないでしょうか。 できれば宿題と両立可能なものがいいですね。 たとえば、「甘い物好き」であれば、宿題をしている我が子に、さりげなくおやつを出していくといいでしょう。 我が家では、息子がココアにハマっているので、宿題を出した時点でココアを差し入れします。
「褒め言葉」が好きな子供には、計算ドリルの正答率について褒めてあげましょう。 「3分で何問できるか?」といった競うことが好きなタイプの子どもには、タイマーで時間を測ってあげましょう。 ここで大事なことがあります。 「こうした工夫をすれば、自分のやる気を出せるんだよ。ゆくゆくは自分でココアを準備したりしながら、自分のやる気を高める必要があるんだよ」 そのように子どもに伝えることです。