ケニア陸上の新星、ドーピングで6年間の資格停止処分
【AFP=時事】陸上競技の不正防止機関「アスレチックス・インテグリティ・ユニット(AIU)」は、女子10キロロードレースで世界歴代2位の記録を持つエマクラテ・アニャンゴ(ケニア)に、6年間の資格停止処分を科すと発表した。 【写真4枚】ケニアのチェベト 女子1万メートルで世界新記録樹立 24歳のアニャンゴは、2月から6月の間にケニアで行われた4回の検査で、禁止薬物のテストステロンと血液増強ホルモンのエリスロポエチン(EPO)に陽性反応を示した。 AIUは22日に下した裁定の中で、「悪質な状況」により通常4年の資格停止期間を「延長する」ことを決定したと発表。これには「複数の禁止物質」の使用やテストステロンの「複数回の使用」が含まれていると述べた。 AIUはまた、アニャンゴが告発に対して応答しなかったことを非難した。声明によると、期限が過ぎた後にアニャンゴは「この件について言うことは何もないし、AIUが『私に何をするかを見守る』」とするメールを送ったという。 アニャンゴは、2019年にU-20アフリカ選手権の女子3000メートルで銀メダルに輝くなど、ケニアで期待の新星の一人として頭角を現した。今年1月にはスペイン・バレンシアで開催された10キロロードの大会で、世界新記録の28分46秒で優勝した同胞のアグネス・ジェベト・ゲティチに次ぐ28分57秒で2位に入り、同種目で29分を切った史上2人目の女子選手となった。最初のドーピング検査で陽性反応が出る前に記録されたこのタイムは、現在も有効となっている。 ケニアは2016年リオデジャネイロ五輪でのドーピングスキャンダルを受け、同年に刷新されたケニア反ドーピング機関(ADAK)を設立するなど大規模な投資を行っていた。しかしながら、先月ADAKが厳しい予算削減により検査が停止されたと発表したため、このプログラムが弱体化する恐れがある。 直近3年間で制裁を受けたケニア選手は78人に上っている。【翻訳編集】 AFPBB News