海外へ挑み続ける“元賞金王” 比嘉一貴「やっとゴルフが楽しくなってきた」
だからこそ、昨年より優先順位が低い出場カテゴリーでも挑戦をやめたくない。「日本で上に行くゴルフと、向こうで求められるゴルフはまた違うなと思った。戻ってきて、(日本ツアーで資格を得るまで)間を空けてまた行くのでは、ゼロからのスタートになるともったいない。やっぱり出続けること」とうなずく。 2024年に入ってから出場できた欧州ツアーはケニアでの1試合だけ。甘くない現実を受け止めた上で「どれかひとつでもチャンスをつかめれば来年につながると思って、どこにでも行く覚悟。行ったり来たりも多くなって、その分だけ経費もかかるかもしれないけど、今しかできないと思って頑張ります」と気持ちを奮い立たせる。 マスターズに向けて準備を重ねていた時も充実していたが、また違った感情が芽生えているという。「やっと楽しくなってきましたね、自分の中で。今までうまく行き過ぎていたのか、ここ(日本)でやっていて、できた気になっていたというか。苦い経験があったけど、必ずしもムダではなかった」。158㎝の小さな体に秘める志は、以前にも増して大きくなった。(三重県桑名市/亀山泰宏)