香港返還から27年 今年新たな“スパイ条例”も…厳しさ増す言論締め付け
日テレNEWS NNN
香港が中国に返還されてから27年を迎えました。香港では今年、スパイ活動などを取り締まる新たな条例が施行されるなど、言論への締め付けがさらに厳しくなっています。 香港がイギリスから中国に返還されてから27年となる1日、香港政府のトップは、中国が主導する統治について「成果が見えている」と強調しました。 香港 李家超行政長官「我々は香港の管理を改善し、愛国者による香港統治が実現された」 香港では2019年の大規模デモをきっかけに中国政府主導で「香港国家安全維持法」が成立。メディア関係者や民主活動家が次々に逮捕されました。 中国政府に批判的な論調の「立場新聞」の編集幹部だった陳朗昇さん。2021年、他の幹部らと共に警察に連行され、立場新聞は運営停止に追い込まれました。 陳朗昇さん「昔取材したことや素材はもう『国家秘密』と認定された。放送したら危ないかもしれない」 現在もネットメディアの記者として活動する陳さん。今年、スパイ行為などを取り締まる新たな条例も施行されたため、当局の勝手な解釈による摘発が増えるのではと懸念しています。 陳朗昇さん「(国家安全条例の)レッドラインはどのように判断するのか、香港の人々にとってはまだ真実とニュースが必要。いまは記者としての責任と役割を全て諦めるタイミングではない」 中国による支配が強まる香港。言論統制も厳しさを増しています。