タイヤ直撃で女児重体 車の所有者を逮捕 点検の不備で脱落か 父親「責任果たす日を願う」
ぐるぐると敷地内を走り回り、左前のタイヤを入念に確認する様子がー 一度、公道に出た後… 再び戻り、走り去っていく様子が映っていました。
この場所からは下り坂が続いていて、事故現場まではおよそ200メートル。 この坂道を走った勢いのまま、タイヤが女の子に直撃したことになります。 (若本容疑者の親族)「車の調子が悪いから、乗ってみてくれと頼まれたようだ」
事故を起こした車は若本容疑者の「知人名義」。 「その知人」は不具合を感じて「車に詳しいから」という理由で若本容疑者に車を預けたということです。
(記者)「いま煙草に火をつけ、事故を起こした車の所有者の男が出てきました」 この「知人」というのが、若本容疑者の高校の同級生で、過失運転致傷と道路運送車両法違反の疑いで20日に逮捕された、田中正満容疑者です。 逮捕の数日前、田中容疑者の姿は江別市内の自動車整備工場にありました。
(記者)「手に工具のようなものを持って現れました。これから何か車の整備を始めるのでしょうか」 田中容疑者の逮捕容疑のひとつは「道路運送車両法違反」。 警察によりますと、事故前の軽乗用車について、車体よりもタイヤがはみ出す不正改造をした疑いがもたれています。
そして、もうひとつの容疑が「過失運転致傷」。 軽乗用車の点検整備を怠った結果、タイヤが脱落して歩道にいた女の子に直撃する事故を引き起こした疑いです。 (百瀬記者)「今回、運転手以外が過失運転致傷の疑いで逮捕されるのは全国で初めてとみられています」
事故を起こした車は若本容疑者が運転。 田中容疑者は運転も同乗もしていません。 運転手以外が過失運転致傷の疑いで逮捕されるという、全国で初めてとみられる極めて異例の展開に、専門家も驚きを隠せません。 (弁護士法人プロテクトスタンス札幌事務所 大嶋拓実弁護士)「私が知る限りでは聞いたことがない。大きい事故ということもあり、運転している人だけではなくて、改造していた車を持っていた人もしっかりと刑事責任を負わせるべきだという考えがあったと思う。所有者にも刑事責任を問う可能性があるよという世論に示すことになるので、注意・関心が向くんじゃないかと思う」