【解説】自公は“苦戦” 衆院選の終盤情勢 野党も「明暗」
鈴江キャスター 「そして、3つめの疑問“2000万問題”。自民党が、非公認候補者が代表を務める政党支部などにも、2000万円を配っていたという問題ですが、これは情勢分析に影響しているのでしょうか?」 平本記者 「調査は火曜日(22日)から木曜日(24日)までのもので影響は限定的と言えます。また、新しい動きが出ていまして、いわゆる裏金議員の非公認候補者の中で2000万円を党本部に対して『誤解を招く』として返還する動きが出ています。別の非公認候補の1人は『勝手に振り込まれた。党本部に返還を申し出たが断られた』などと実態を説明しています」 「自民党執行部自体は『非公認候補、いわゆる裏金議員へのお金ではない』『選挙に使うことはない』と正当性を主張する一方で、野党側は『裏公認料だ』『裏金議員へのステルス支援だ』と批判を強めています。ある自民党幹部は『正しいお金の支出であっても、誤解をうむようなやり方が問題だった』と述べています」 鈴江キャスター 「となると、やはり終盤にかけて2000万円問題は与党にとっては逆風になりそうでしょうか?」 平本記者 「与野党を取材していると、そうした見方が大勢です。ある自民党幹部は『投開票日にむけてさらに逆風は強まるだろう』と。いわゆる裏金議員の1人は『選挙戦で必死に不記載問題の誤解を解こうと説明してきたのに新たな問題が浮上して、これまでの努力が水の泡だ』と嘆いています。一方、ある自民党幹部は『党内の危機感が高まって、引き締まる部分もある』と。この問題をプラス要素に転じさせたいとも話しています。また、ある野党の党首は『投票率が上がらなければ組織力が強い、与党の地力の強さが出る』と警戒しています」 「今回の調査では、一定数の回答者が態度を決めておらず情勢は変化する可能性もあり、選挙戦最後の最後までギリギリの攻防が続くことになりそうです」