【卓球】2025年最初の世界ランキング、中国の3人の五輪金メダリストが姿を消す
中国卓球協会も「3選手の世界ランキングからの離脱に同意。今後も最大限のサポート」と声明を発表
2024年12月31日、ITTF(国際卓球連盟)は2025年最初の世界ランキングを発表。日本は男子で張本智和(智和企画)が3位、女子で早田ひな(日本生命)が5位となり、ともに日本選手最高位をキープした。 今回のランキングでの大きなトピックスは、男子で2024年パリ五輪男子シングルス金メダリストの樊振東(ファン・ジェンドン)、2016年リオデジャネイロ・2020年東京五輪男子シングルス2連覇の馬龍(マ・ロン)、女子で2020年東京・2024年パリ五輪女子シングルス2連覇の陳夢(チェン・ムン)という、中国が誇る3人の五輪金メダリストがランキングから姿を消したことだ。 樊振東と陳夢は、12月27日にSNS『微博(ウェイボー)』で世界ランキングからの離脱を申請し、受理されたことを相次いで発表。オリンピックの男子シングルスで史上初の2連覇を達成した中国卓球界のレジェンド、馬龍もそれに続いた形だ。 中国卓球協会も12月31日に声明を発表。「馬龍、樊振東、陳夢の3名は国際大会でたびたび素晴らしい成績を収め、祖国と人民のために栄誉を獲得し、中国スポーツ界の発展に多大な貢献をした。中国卓球協会と中国卓球チームは、3選手の世界ランキングからの離脱に同意し、関連するすべての手続きを完了した。これからも3選手の成長に注目し、今後の国際大会への復帰の有無に関わらず、最大限のサポートを行っていく」とコメントしている。 現在、卓球の国際大会は、2021年にスタートしたWTT(ワールド・テーブルテニス)という新たなフォーマットが整備されつつある。馬龍や樊振東、陳夢のようなトップ選手は、年間4大会行われる「グランドスマッシュ」や、6大会行われる「チャンピオンズ」などの大会に出場しなければならない。年間2大会までは棄権しても罰金は発生しないが、3大会目からは罰金の対象となり、棄権した大会と同時期に違う大会(国内リーグなど)に出場した場合、さらに高額な罰金を課せられることになる。 36歳の馬龍と30歳の陳夢については、今回の世界ランキングからの離脱によって国際大会からは引退となるだろう。一方、27歳の樊振東は、現状の中国男子チームの戦力を考えると、4年後のロサンゼルス五輪でも主力選手として出場する可能性が高い。 「パリオリンピックでの使命を無事に終えた後、心理的に大きく消耗しており、出場が確定している来年の全中国運動会を除いて、大会に出場する具体的なプランはまだ決まっていない」とコメントしている樊振東。中国卓球協会と協議のうえ、将来的な復帰を見据えて世界ランキングと国際大会から一時的に離脱し、罰金の対象となることを回避する判断と見られる。