危険なので要注意! バイクでの走行中に起こる「ハイサイド」ってなに?
「ハイサイド」ってどういう現象?
バイクの運転で気をつけたいのが、転倒などのトラブルです。長くバイクに乗っていれば、「タイヤが滑って転んでしまった」という経験が一度や二度は、あるかもしれません。 【画像】危ない! これがバイク転倒原因のひとつ「ハイサイド」画像で見る(10枚) なかでもとくに注意したいのが、「ハイサイド」による転倒事故。ハイサイドは建築や回路などにも使われる言葉ですが、そもそもバイクにおけるハイサイドとはどのような現象なのでしょうか。
ハイサイドは、主にバイクでカーブを走行している最中に起こる転倒トラブルの一つ。カーブでの転倒というと、車体をバンクさせた方向にバイクが倒れるのが一般的ですが、ハイサイドの場合はバンクさせた側ではなく、反対のアウト側にバイクとライダーが投げ出されるように転倒します。 ハイサイドが起こると、放り出された勢いで地面に体を強く叩きつけらたれり、対向車線まで飛ばされてしまう場合があるので、大ケガを負うことも少なくありません。そのため、ハイサイドはバイクの転倒トラブルのなかでも非常に危険な現象として知られています。 では、ハイサイドはバンクさせている側ではなく、なぜ反対側にバイクが倒れてしまうのでしょうか。
ハイサイドの原因は、主にカーブで横滑りしたタイヤが「急にグリップ力を取り戻す」ことで起こります。 たとえば、コーナリングでバンクをさせている途中でリアタイヤが滑り出すと、ライダーは車体を立て直そうと無意識にアクセルを戻します。 そうすると、グリップ力を失っていたリアタイヤの回転が弱くなるため、急にグリップ力が回復。タイヤが滑っているところに急激にタイヤのグリップ力が発生するので、その強い反動でバイクが一気に起き上がり、反対側に投げ出されてしまうという流れです。 ハイサイドの一連の動作を言葉で説明すると、上記のような流れになりますが、コントロールが失われて投げだされてしまうまでは一瞬の出来事で、ひとたびハイサイドが起こると立て直すのが非常に困難な現象です。 特にハイサイドが起こりやすいのはサーキットでの走行。その理由は、サーキットの路面は一般道に比べてグリップしやすい設計になっていたり、グリップ力の高いタイヤを履いていることが挙げられます。 また、バンク角を大きくとり速いスピードでコーナーを曲がるため、タイヤにかかるグリップ力が大きくなるのも原因の一つ。そのため、ハイサイドはバイクレースでは見かけることの多い転倒トラブルといえるでしょう。