たばこ産業「JT」の株はなぜ上がるのか…?「新NISA」と「PBR割安」効果が継続中の日本株で、「JT株」が圧倒的に上昇した秘密
「新NISA」と「PBR改革」の共通点
年始に「新NISA」が開始してはや半年が経過した。依然として口座開設数は増え続けており、個人投資家界隈の「株式投資」は盛り上がっている。 【一覧】新NISAの活用で…これから30年持ちたい「珠玉の20銘柄」! また、昨年来の東証の資本効率性の改革の議論も相変わらず日本株市場における議論の中心にある。6月末の株主総会の本格化に向けて企業の積極的な自己資本の活用が掲げられていくのかについて、市場の注目が集まっている。 欧米の景気後退が懸念されており、目立った投資の材料に欠く中で、これらの「日本の持続的な変化」に絡んだテーマは貴重な存在だ。 そして、これら2つのテーマには、実は共通する要素がある。それが、「配当」だ。
「意外な企業」の株価が上昇していた…!
周知のように個人投資家は配当利回りが大好物である。 実際に、高配当利回りの銘柄や投資信託、ETFなどが大変な人気を博し、新NISAの発足前後からその個人投資家からの期待に相乗りする需給も含めて、関連の投資資産が強い上昇を見せたことは記憶に新しい。高配当利回り株への投資の意義の是非は置くとしても、少なくとも高配当利回り株を好んで資金を振り向ける投資家の数が急増していること自体は疑いない。 加えて、企業の資本の効率化についても、結局のところは「保有する余剰資金を事業投資に使いなさい、使い途がないなら株主に還元しなさい」といった考え方に基づいており、このうちの株主還元の一部は言うまでもなく配当(増配)である。 言い換えれば、現在の日本株市場は高配当利回りを好む投資家が増え、企業も尻を叩かれて配当を積極的に増やそうするという、投資家側と企業側のある意味「Win-Win」な関係性が構築されているといってもいいかもしれない。 そして、この単純明快な相互関係が築かれていく中で、その需給の恩恵を強く受けている銘柄が存在する。 それが、日本たばこ産業(JT)だ。
ヤバすぎる上昇力を見せつける「JT」
株式市場が欧米の金融政策の変更の思惑やハイテク株の動向に振り回されて乱高下を見せる中で、同社の株価は我関せずと実に淡々と値を切り上げ続け、足元ではさらにそのスピードを加速させるように、過去2年程度で2倍以上の上昇を達成している。 図:日本たばこ産業(JT)の株価の推移 もともと外需企業が幅を利かせ、ボラティリティの高い銘柄が多くを占める日本株市場の中で、JTのような大型株がこの美しい上昇チャートを描くようなケースはそうそう存在しないだろう。 しかし、その一方で、このJTの鮮やかな株価の上昇については、頭のどこかにあるモヤモヤ感というか、根本的な疑問点を拭い去ることができないことも事実だ。 社名の通り、JTはたばこを商品として扱う企業である。
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