AI時代「子どもが不登校でも“問題”ない」本当の訳 つらいこと、嫌なことからは逃げてもいい?つんく♂✕孫泰蔵氏の「意外だけど納得の答え」
孫:僕はつんく♂さんと違って、やりたいことがわからなかったんです。もともと勉強なんて大嫌いでしたが、九州の田舎にいると「東京に出て日本のトップとされる大学に行けば、すごい人がたくさんいるんじゃないか。そういう人たちに会いたい」という夢や憧れがあったんですよ。 でも……実際はそうでもなくて、俺は何のために頑張ってきたんだというショックもありました(笑)。 つんく♂:なるほど。東大が期待していたほどのものではなかったからこそ、もっと高みを目指して、ビジネスで成功できたのかもしれないですね。
■50歳を過ぎても見る「あの頃の悪夢」 孫:というか、僕は本当に受験勉強が嫌いだったんです。いまだに「明日試験なのに全然勉強してない!」っていう夢を見て、ガバッと起きることがあるんですよ。なぜ50歳を過ぎて、こんな悪夢で目を覚まさなきゃいけないんだ! と。 これからAIの時代になると、詰め込み式の受験勉強なんて意味はありません。それなのに、いまだに子どもたちは「つまらない勉強」をさせられている、やりたくもないのに。……という現実を変えるきっかけになればと思って、僕は本を書こうと思ったんです。
つんく♂:素朴な疑問ですが、AIの進化で、いろいろなことをAIがやってくれるようになるわけでしょう。だから勉強しなくていい、努力しなくていい。それで本当に生きていけるものなんですか? 孫:僕が言いたいのは、つんく♂さんもご著書(『凡人が天才に勝つ方法』)で書かれていたように、自分がやりたいこと、好きなこと、中2のとき憧れていたことをやればいいということなんです。だから、やりたくない勉強なんて、無理にやらなくてもいいと思っています。
つんく♂:とはいえ、僕が今10代のアイドルたちに「学校の勉強が嫌いなんですけど」って言われたら「最低限はやれ」ってアドバイスしちゃうと思います。 孫:それも間違いではないと思います。僕なら「やらなくていいんじゃない?」って言っちゃうと思いますけど……。 ■「本当に困ったこと」があれば、人は自然と学ぶ つんく♂:たとえば、うちの子どもたちは、幼い頃からハワイに住んでいるから、英語は話せるけど、漢字が弱い。なので、日本に帰ってきても漢字が読めないから、電車やバスに乗るのが怖いそうです。それを思えば、やはり基本的な学力は必要なんじゃないかと思うんです。