「レプリコンワクチンのデマには徹底的に対抗する」、広がる不安にMeiji Seikaファルマ社長が答えた
■打つべきだが、一定の率で重い副反応はある ――Meiji Seika ファルマの社員を名乗る、mRNAワクチンへの不安を主張する書籍が話題になっています。 誰が書いたかわからない書籍の情報には注意してほしい。誰かがいった内容が本当かどうかという話よりも、医学や医療介入の情報を正確に伝えるべきだ。一般の方はまったくわからないのだから。 ――不安を感じている人に対して、寄り添ったコミュニケーションも必要ではないですか?
いや、ワクチンを打つべきだとちゃんと伝える必要がある。「打つ、打たないは本人の自由です」だと、リスクを超えて打つ人は誰もいなくなる。「打つべきです、ただ、一定の率で重い副反応はありますよ」として、その後はご自身で考えてもらう。 国民が医療に関して、自己決定権をきちんと持つことが重要だ。手術をする時は必ず同意書を取るでしょう。医療行為が上から目線で強制されているように思われているが、実はそうではない。
強調したいのは、医療行為にリスクがあるのは当然ということだ。これを根気強く伝えていく必要がある。国民が正確な情報を得て、その後に自分が決断することが必要だからこそ、デマを流すことはあってはならない。 接種者や医療介入を受ける人たちに「大変ですね、不安もわかります」というのは寄り添うことではない。インフォームドコンセント(説明と同意)という言葉があるように、選択肢をエビデンス(科学的根拠)に基づいたデータとともに示し、本人が理解できるように説明することこそが、寄り添うことだと考える。
――コスタイベは既存のコロナワクチンより安全性が高いのでしょうか? もちろんだ。ベトナムで約1万6000例の被験者を対象に行った治験では、コスタイベ接種群で、重篤な有害事象の発生率は1日目から92日間で1.5%だった。 これに対し、プラセボ(生理食塩水など効果のないもの)を接種した群では2.5%だった。さらに、92日から210日までの発生率はコスタイベ接種群もプラセボ接種群も1.2%だった。 これはすごい、開発しなければと思った。治験で得られたデータを基に、安全性から出発したワクチンといえる。しかもこのワクチンは、少量の投与でも効果が長続きする。