NASAがアルテミス計画の有人月面探査車「LTV」を開発する企業3社を選定
アメリカ航空宇宙局(NASA)は2024年4月3日付で、有人月面探査計画「Artemis(アルテミス)」で使用される有人月面探査車「Lunar Terrain Vehicle(LTV)」を開発する企業としてIntuitive Machines(インテュイティブ・マシーンズ)、Lunar Outpost(ルナー・アウトポスト)、Venturi Astrolab(ベンチュリ・アストロラボ)の3社を選定し、契約を結んだことを発表しました。【最終更新:2024年4月5日11時台】 今日の宇宙画像 LTVはアルテミス計画における4番目の有人ミッション「Artemis V(アルテミス5)」から使用される予定の月面探査車です。与圧されたキャビンを持たない非与圧式の車両で、宇宙飛行士は月面活動用の宇宙服を着用して搭乗します。電力管理、自動運転、最先端の通信・ナビゲーションシステムといった機能を実現する先端技術に支えられたLTVによって、月の南極に降り立った宇宙飛行士は徒歩よりも広い範囲を探索し、科学機器を運び、月面のサンプルを採取できるようになります。また、LTVは遠隔操作に対応するため、宇宙飛行士が月面に滞在していない期間も無人の探査車としてNASAの科学的目標のサポートや商用の月面活動に使用可能とされています。
すでに契約が結ばれている月着陸船や宇宙服と同様に、LTVは企業からNASAにサービスとして提供されます。今回締結されたのは2039年までの15年間で最大46億ドル相当とされるLVTサービス契約全体のうち、NASAの要件を満たしたサービスの実現可能性を調査する予備設計レビューを進めるための契約です。LTVの性能と安全性を確かめるための技術実証ミッションを行い、アルテミス5以降にLTVサービスを提供する企業として選ばれるのは、3社のうち1社だけの予定とされています。 3社はそれぞれ複数の企業をパートナーとしてLTVの開発に臨みます。インテュイティブ・マシーンズはAVL、Boeing(ボーイング)、Michelin(ミシュラン)、Northrop Grumman(ノースロップ・グラマン)と組んだグローバルチーム「Moon RACER」(※RACER=Reusable Autonomous Crewed Exploration Roverの略)の元請業者として契約を締結しています。 ルナー・アウトポストが率いる「Lunar Dawn」チームには、Lockheed Martin(ロッキード・マーティン)、General Motors(ゼネラルモーターズ)、Goodyear(グッドイヤー)が参加。アストロラボはAxiom Space(アクシオム・スペース)およびOdyssey Space Research(オデッセイ・スペース・リサーチ)とともに、同社の月面探査車「FLEX」の開発を進めるということです。 Source NASA - NASA Selects Companies to Advance Moon Mobility for Artemis Missions Intuitive Machines - Intuitive Machines-led Moon RACER Team Awarded NASA Lunar Terrain Vehicle Contract to Support the Agency’s Artemis Campaign Lunar Outpost - Lunar Dawn Team Awarded NASA Lunar Terrain Vehicle Contract Venturi - Venturi Astrolab awarded by NASA SpaceNews - NASA selects three companies to advance Artemis lunar rover designs
sorae編集部