行田・ものつくり大学に新学生工房「ものつくりベース」 地域に開かれた交流の場に
「ものつくり大学」(行田市前谷、TEL 048-564-3200)が10月21日、新学生工房「ものつくりベース(MONO-BASE)」を開設しオープニングセレモニーを行った。(熊谷経済新聞) 【写真】学生が作ったものつくりベースの模型。「サロンエリア」とで「デジファブ/作業エリア」の面積比は1:1 ものづくりをベースに学生・地域・企業がつながる共創スペース。工房のコンセプトは「ものづくりを楽しみ、実感できる」。学生や教員が地域の人や企業と交流し、協働することによって新しいアイデアを生み出すとともに、最新デジタル機材を活用して構想を具現化し、新たなものづくりの形を発信していくという。同大学生のほか、法人会員、個人会員を募集して一般にも施設を開放する。 大学内の教室をリノベーションした工房にはサロンエリアを併設。作りながらディスカッションを重ねたり試作したりといった「アイデアから作品になるまでの過程」を大事にする場所として計画した。フロア面積は約150平方メートル。時代に合わせたデジタルファブリケーションのデザイン・制作の分野を加速させるために、新設することになったという。デジタルファブリケーション とは、デジタルをもとに創造物を制作する技術を指す。 オープニングセレモニーには、関係者約30人が出席。工房内を回った。 最新デジタル機器を説明した情報メカトロニクス学科の松本宏行教授は「学生工房が一般の人に開かれている場所は日本で数少ない。工房に備える世界最速の3Dプリンターや溶剤インクジェットプリンター、レーザー加工機などについて、布、皮、紙、プラスチックなどの素材を使って、最新のデジタル機器を組み合わせて多種多様なものを作ることができる。多くの人に使ってもらえたら」と呼びかける。 施工や机の設計などについて説明した大学院2年生の三崎敬音さんは「リノベーションに当たり、何度もディスカッションを重ねた。天井の一部を剥ぎ、天井内の配管を見せるために解体し、既存天井は大学のブランドカラーのアカネ色に塗った。サロンエリアのペダルテーブルは既存の椅子に合う物を考案した」と振り返った。 「ものつくりベースで、地域コミュニティの活性化を行い、人と人とを結び付けていきたい」と工房運営を受託する「ATOMica」の南原一輝代社長。セレモニーに参加した行田市内の企業で大野建設の大野年司会長は「市内にこういう施設ができたのは、地元に大学があるからこそ。身近でものづくりできる恵まれた環境になる。開設をきっかけに一緒に活動していきたい」と話す。 開館時間は10時~18時。土曜・日曜休館。
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