新型ランチア イプシロンHFは、デルタHFインテグラーレの再来だ!!! 新生イタリアン・ホットハッチに注目するしかないワケとは
モーターならではのファン・トゥ・ドライブにも期待!
話をイプシロンHFに戻すと、ランチアは、イプシロン・ラリー4HFなるモデルを作り、ラリーへと復帰するとプレスリリースに記している。「今回も、ラリーでの高成績があらたなランチアファンを生み出してくれるでしょう」。ランチアのルカ・ナポリターノCEOは語っている。 イプシロン・ラリー4HFはピュアEVでなく、1.2リッター3気筒ターボユニット搭載車。ボンネットの象は、フライングエレファントといい、ランチアのHFスクアドラコルセ(レーシングチーム)のシンボルでもあった。それを大きく掲げているのは、つまりそれだけ力の入ったモデルということだろう。 当時のマルティニ・ストライプを彷彿させるカラリングで参戦してくれたら懐かしくて涙ものだけれど、そこはスポンサーの絡みがあるからどうなるか……。 個人的には、ピュアEVが参戦する世界ラリークロス選手権へも、イプシロンHFで参戦してもらいたいと思う。 2024年6月に日本での販売が開始されるヒョンデ「アイオニック5N」も、高性能をセリングポイントにした全輪駆動のピュアEVだ。イプシロンHFが市場で、ヒョンデと真っ向からぶつかるようなハイパフォーマンスを持っていることを、私は大いに期待している。 モーターならではのファン・トゥ・ドライブ性を前面に押し出すモデルが増えてきた。たとえば、価格帯こそ違うけれどピニンファリーナ「バッティスタ」やロータス「エメヤ」などである。 今回登場したイプシロンHFを含め、確実にピュアEVは新しい世代になっていくのだ。
文・小川フミオ 編集・稲垣邦康(GQ)