「小さなお母さん」佳子さま、弟・悠仁さまの成長を支え続けてきた姉としての“役割”
佳子さまは「小さなお母さん」
悠仁さまが生まれたとき、佳子さまは11歳で学習院初等科6年生だった。「弟が生まれたときは非常にうれしかったことをよく覚えております」と、記者会見で話しているとおり、生まれたときから悠仁さまの面倒をよく見て、とても可愛がってきた。佳子さまは、いわば「小さなお母さん」という存在で、弟の成長を身近で支えてきた一人でもある。 2008年8月、秋篠宮ご一家は栃木県にある那須御用邸に滞在した。悠仁さまが2歳になる少し前のことである。散策の途中で、秋篠宮さまが捕まえたトンボを、姉の眞子さんが優しく悠仁さまに手渡す写真を、私は見たことがある。恐る恐る、トンボを見つめる悠仁さまと優しい眼差しで、弟を見守る佳子さまが写っていた。 トンボに関心が高く、最近、話題となった学術論文『赤坂御用地のトンボ相―多様な環境と人の手による維持管理』を研究者たちと共同でまとめた悠仁さまの、研究活動の「原点」のひとつともいえる光景が、そこには広がっていた。 「なぜだろう」「どうしてだろう」という子どもらしい素朴な疑問から出発し、試行錯誤を続けながら、粘り強く観察や研究を続けてきた。悠仁さまが探求心旺盛で、創造力に富んだ青年へと成長した陰には、佳子さまの大きな支えや協力があったはずだ。 秋篠宮ご一家の世話をする宮内庁皇嗣職は、2024年3月29日、次のように発表している。 「今まで成年式を行われた皇族は大学ご在学中でいらっしゃいましたが、親王殿下には、高校3年生として学校生活を送りつつ、進学に向けての勉学に励まれる大切な時期になります。こうしたことから、親王殿下には、高校生活を締めくくる年を有意義に過ごしていただき、その上で、高校ご卒業(2025年3月)以降の適切な時期に成年式を執り行っていただきたいと考えております」 「加冠の儀」など、成年式の重要な儀式や記者会見などは、2025年3月以降の「適切な時期」に行われることとなった。成年式はもちろんのこと、大学入学後も悠仁さまには、結婚問題など重要な課題が待ち受けている。両親には相談しづらいことも、「小さなお母さん」である佳子さまにだったら、打ち明けやすいかもしれない。これからも佳子さまは弟をしっかりと守り、支え続けるだろう。 <文/江森敬治> えもり・けいじ 1956年生まれ。1980年、毎日新聞社に入社。社会部宮内庁担当記者、編集委員などを経て退社後、現在はジャーナリスト。著書に『秋篠宮』(小学館)、『美智子さまの気品』(主婦と生活社)など