エスパー伊東の引退騒動で考える 体を張ったお笑い芸人の体力の限界とは?
一部スポーツ紙で“引退”が報じられた、タレントのエスパー伊東。 即座に自身のブログで引退を否定し、今後は芸能活動よりも、アート活動をメインにしていくことを発表した。 伊東といえば、手の力だけで分厚い電話帳を真っ二つに裂く“高速電話帳破り”や高温の油の中から素手で天ぷらを取る“手んぷら”、またゴム手袋を頭に被って鼻息だけで膨らませて爆発させる“爆裂ゴム手袋鼻息割り”など、体を張ったパフォーマンスで人気を集めている。テレビだけでなく、結婚式の余興などの営業活動にも力を入れていたことでも有名だ。 「ある番組で年収が2000万円と明かしています。そのほとんどが結婚式の余興、つまり営業です。ボストンバックに入って登場し、体を張ったパフォーマンスを次々と披露します。伊東のことを知らない列席者も、分かりやすい芸なので盛り上がる。彼のたびたびやらかす失敗も爆笑をとっています」(放送作家) そんな伊東の引退報道に真実味を持たせたのが、一部スポーツ紙で所属事務所が発表した「長年蓄積した体へのダメージ」というコメントだった。
体を張ってナンボの若手芸人が拒否!?
お笑い芸人といえば“肉体派”が多いが、若い頃こそ体を張ることもたやすいことだとはいえ、年齢を重ねると当然きつくなってくる。伊東の所属事務所も、そのあたりを近年は気にしていたのだろう。 では、現在テレビで活躍する芸人たちは、身体の衰えを感じ始める年齢に達すると、体を張らなくなるのか? 芸能評論家の市川大介氏はいう。 「最近は、端から体を張った芸をNGとしている若手芸人もいる。番組の打ち合わせの段階で、あれはダメ、これはダメと昔だったら考えられないようなわがままを主張するんです。結局、冠番組を持つような40歳以上の実力派芸人に、体を張ってもらうしかない。もっとも、体を使うリアクション芸は、“笑われる”のではなく“笑わす”という緻密な計算のもとに成立する芸なので、ポッっと出の若手の力量では無理ですが」