もしテスラが「トヨタを買収したい」と言い出したら、日本政府はどうすればいいのか…?
そのとき、日本政府は拒否できるのか…?
2025年の年初、トランプ新大統領が誕生してまもなく石破首相との間の会談で日本製鉄の問題が話題になったとしましょう。 日本からはこの投資の意義を説明したうえで、日米が同盟国であることを前提に両国は国益を超えて協力すべきだし、過度に自由経済の原則に介入しないほうがいいとアピールするとします。 そこでサプライズな対応があります。 トランプ大統領は日本の主張に大きくうなずき、同盟国同士は買収に政治介入をしない原則を私も確認したと言い出し、バイデン前大統領が決めた日本製鉄阻止に関する決定をすべて無効にすると約束してくれるのです。 日本政府の代表団はきょとんとしながら、日本製鉄のUSスチール買収が前進したことに安堵を覚えるでしょう。一方でホワイトハウスではトランプ大統領の腹心となったイーロン・マスクが笑みを浮かべているかもしれません。 「これで日本政府は逆のケースを拒否できなくなった」と……。 果たして、テスラがトヨタを狙った場合、本当に買収されてしまうのでしょうか。 シミュレーションのつづきは、後編『テスラが「トヨタを買収しよう」と言ったとき、イーロン・マスクとトランプを日本政府は本当に止められるのだろうか…?』でじっくりとお伝えします。
鈴木 貴博(経営戦略コンサルタント)