海外メディアも錦織の激闘勝利に注目「エベレスト登山の後のようだ」「爆撃に耐えた」「スリル満点」
テニスの全豪オープン、男子シングルス2回戦が行われ、世界ランク9位で第8シードの錦織圭(29、日清食品)が同73位のイボ・カルロビッチ(39、クロアチア)を3時間48分に及ぶフルセットの激闘の末に破った。今大会から導入された10ポイント先取のスーパータイブレークを制した瞬間、力尽きた錦織は、コートに四つんばいになり、しばらく動けないほどの熱戦を海外メディアも一斉に報道した。 地元紙のオーストラリアン紙は「錦織が、カルロビッチの爆撃に耐える」との見出しを取り、熱戦をこう描写した。 「雨が降ってきたが、屋根は閉じることはできない。(長身の)カルロビッチは、そこには収まらないからだ。彼は第4セットで次々とサービスエースを決めた。まるで(クリケット選手の)パット・カミンズが投げた赤いボールが耳元を抜けていくように日本のカウンター選手(の錦織)は0点に抑えられて、お手上げだった」 身長2m11のカルロビッチが放つ強力なサーブが錦織を苦しめたことを伝えた。 「カルロビッチのサービスエースが50本に達した時、NBAの試合で、ウィルト・”ザ・スティルト”・チェンバレンが100得点したことが思い出された。最終セットで、ペナルティーキック合戦と同様のもの(10点先取のスーパータイブレーク)がテニスにもたらされなければ、カルロビッチは、マーガレット・コート・アリーナでさらに多数(のサービスエース)を積み上げたかもしれない」とも続け、これまでの2点差がつくまで続くタイブレークではなく、今大会から最終セットのみ10点先取のスーパータイブレークが導入されたことが勝敗を分けるポイントになったと指摘した。 「カルロビッチは、2003年のウィンブルドン1回戦では、レイトン・ヒューイットを相手に番狂わせを演じている。(今回も)トップスピンのバックハンドパッシングショットを決め、スーパータイブレークで錦織を7-6でリードした。彼は、ほぼ家でシャワーを浴びることのできる状況だったが、錦織がサービスリターンを2本決めて連続でポイントを奪った。最後の4ポイントを奪い、6-3、7-6、5-7、5-7、7-6の大熱戦の3時間48分で勝利を収めると、エベレスト登山の後に、よろめきながらベースキャンプに戻った登山家かのように膝をついた」と、錦織の勝利の瞬間の様子を伝えた。 また錦織の9本に対し、カルロビッチが59本のサービスエースを決めたこと、5試合連続で最終セットのタイブレークに敗れていることなどを紹介。最終セットが休憩なく続けられることに対して、カルロビッチが「どの選手にとっても良いことではないと思う」と、試合後に否定的な意見を口にしたことを明らかにした。