映画『ゴジラ-1.0』に登場する局地戦闘機「震電」の劇中仕様キットを製作!【達人のプラモ術<震電>】
■劇中登場仕様での製作
今回製作の1/48震電のキットは、先にも書きましたが40年以上前に発売されたものです。古参のキットで、パネルラインも凸モールドと、今の目で見るといささか古さを感じさせられますが、機体のプロポーションも良く、コクピットのディテールも悪くありません。 ただしキット自体は通常版と同じなので、劇中仕様機として製作するには、自身でいくつか改修工作をしなくてはなりません。 キットのインストで指示されている改修点は2か所です。 ※記事的に若干のネタバレを含みます。 劇中登場仕様のキットでは、組み立て説明書も刷新されており、改修ポイントが指示されています。 ① 垂直尾翼の補助輪をカットする 劇中の震電は、員数外で生産されていた機体という設定なのでしょう。離陸時の機首上げでプロペラが地面に接触してしまったため、急遽垂直尾翼下端に取り付けられた“補助車輪”(練習機白菊の尾輪を転用)が装備されていません。キットは補助車輪が垂直尾翼と一体で成形されているので切り離します。 ②右側2門の機関砲を削る。 劇中機は機首に爆弾を搭載するために装備された30mm機関4門のうち右側2門を取り外しています。ハセガワのキットは機関砲のカバーと右側機関砲の銃身が一体成型されているので、削り落とす必要があります。なせか左側の銃身は別パーツなんですけどね。
■個人的追加工作
これはある意味劇中機いちばんのポイントになるんですが、実機では装備されていなかった緊急脱出用の射出座席が取り付けられているんですね。 劇中のカットでは座席の背板部に赤い注意書きプレートを確認できるのですが、『Druckluft-Schleudersitz』とドイツ語が書かれています。意味は“圧縮空気式射出座席”の取り扱いに関してなので、ドイツから試験的に持ち込まれていた射出座席を取り付けた設定になっていることがわかります。実際、同時代のドイツ機では、ハインケルが試験的に戦闘機に射出座席を装備していましたが、それが震電に使われて…というのはリアリティがありますね。