30歳の会社員です。大学時代に「2年間」年金を払っていませんでしたが、将来の年金はどのくらい減りますか? 追納したほうがいいでしょうか?
日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の人は、学生であっても国民年金保険料を支払わなければなりません。自分で支払っている人や、学生の間は保護者に支払ってもらうなどのケースもありますが、学生の間は「学生納付特例制度」が利用できます。 本記事では、学生納付特例制度の概要や注意点、追納しない場合の年金額について解説します。 ▼勤続20年でも年収は「280万円」貯蓄も「30万円」しかないのは少なすぎ!? 転職したほうが良いの?
「学生納付特例制度」とは?
「学生納付特例制度」とは、前年の所得が一定額以下の学生を対象に、在学中の保険料納付を猶予する制度です。 学生とは大学だけでなく、大学院、短期大学、高等学校、高等専門学校、特別支援学校、専修学校などの各種学校を指します。制度を利用するときは、住民票のある市区町村の役所や役場の国民年金担当窓口や、最寄りの年金事務所に申請が必要です。 本制度はあくまで猶予であるため、卒業後は原則として保険料を納める必要があります。保険料を支払わなかった場合は納める国民年金保険料が減るため、将来受け取れる老齢基礎年金額も減る点に注意が必要です。ただし、学生納付特例制度を利用した期間は、保険料納付済み期間にはカウントされるため、老齢基礎年金の受給資格期間に含まれます。 なお、2023年度の国民年金保険料は収入などに関わらず一律1ヶ月あたり1万6520円ですが、段階的に引き上げられており、2025年度には1万7510円となることが決まっています。
保険料を2年間払わなかったら年金はどのくらい減る?
学生納付特例制度を利用し、保険料を追納しなかった場合には将来受け取れる老齢基礎年金はどのくらい減るのでしょうか? 大学を卒業するまでの2年間、学生納付特例制度を利用した場合を例にとり、考えてみましょう。 2024年度の老齢基礎年金の満額81万6000円の場合で計算すると、次のようになります。 81万6000円×24ヶ月(2年間)/480ヶ月(40年)=4万800円 つまり老齢基礎年金は年間4万800円減ります。たかが年間約4万円と思うかもしれませんが、65歳から85歳までの20年間、減額された金額で受給すると81万6000円となり、1年間の老齢基礎年金の額と同じになります。つまり1年分、もらえる年金額が少なくなるということです。