【大学選手権】ドラフト指名漏れ悔しさ乗り越え… 甲子園沸かせた大商大の1年スラッガー・真鍋慧が東京ドーム衝撃デビュー!
◆報知新聞社後援 第73回全日本大学野球選手権▽1回戦 大商大1―0中央学院大(10日・東京ドーム) 【トーナメント表】今秋のドラフト注目選手も出場 大学日本一を決める熱戦が開幕。神宮で3試合、東京Dで4試合が行われた。大商大(関西六大学)は中央学院大(千葉県大学)との開幕戦を1―0の“スミ1”で制し初戦突破。高校通算64発の強打者で“広陵のボンズ”こと真鍋慧(けいた)外野手(1年)が「5番・DH」で先発出場し、初回に先制打と東京Dデビューを鮮烈に飾った。 * * * 真鍋が大商大のユニホームに身を包み、全国の舞台に戻ってきた。初回2死一、二塁、中央学院大の右腕・清水の5球目のチェンジアップを捉えた。「とにかく食らいついていくぞという気持ちで」。打球はゴロで一、二塁間を割り、二塁走者が生還。盛り上がるベンチに、右拳を掲げ応えた。 「(甲子園と)同じくらいワクワクした」と、東京Dに乗り込んだ。迎えた初打席、狙いは変化球だったが、4球連続真っすぐでカウント2―2。「真っすぐが少ないと思ってたら意外に多くて…」。ただ、冷静さを欠くことはなく、データ通りに変化球を振り抜いた。初打席で決勝打を生んだルーキーに、富山陽一監督(59)は「持っているものがあるんでしょうね」と笑ってたたえた。 高校時代は“広陵のボンズ”と常に注目を浴びた。甲子園には3度出場し、打率4割4分8厘をマーク。2年連続準Vに輝いた神宮大会では5割を残した。培った大舞台での強さや経験値は並ではない。ただその一方で、4位以下は大学進学と決意して臨んだ昨秋ドラフト会議で指名漏れ。周囲から「まさか…」の声も飛ぶ中、18歳はただ前を見ていた。「芯を外してもホームランが打てるようなパワーを」。ウェートトレーニングに励み、3年夏の終わりに92キロだった体重は、ひと冬越えて100キロに到達した。 今春は関西六大学リーグで全10試合に先発出場し、打率3割3分3厘、1本塁打で平古場賞(新人賞)とベストナイン(指名打者)を受賞。「いいピッチャーと対戦する中で修正を加えて、打席の立ち方やフォームを変えてきた。それが全国の舞台でもいい場面で出た」と進化は続く。 11日の2回戦(東京D)は東京六大学王者の早大と激突。「緊張したけど1年生らしく伸び伸びプレーできた。日本一を目指してやっている。東京六大学とか関係なく、一対戦相手と見て、勝てるように」と真鍋。闘志は燃え盛っている。(瀬川 楓花) ◆真鍋 慧(まなべ・けいた)2005年6月17日、広島市生まれ。18歳。みどり坂小1年から瀬野ソフトボールクラブで野球を始め、瀬野川東中では広島安芸シニアに所属。広陵では1年夏から一塁でレギュラーとなり、2年春、3年春夏の甲子園に出場。高校通算64本塁打。190センチ、100キロ。右投左打。兄・駿(たけと)さんは19年夏に広島商の主将として甲子園に出場し、法大でもプレーした。
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