「すぐにサボる人」じつは意志が弱いわけではない、「脳のオンとオフ」を切り替える簡単なコツがある
さらに、反省点を具体的にすると、「準1級まで合格していると、大学受験で選択肢が広がって有利だよ」と受験生には指導しているのに、いざ自分が英検を受けた後、どうするかを決めていなかったことでした。 ■「何を」と「いつから」を紙に書き出すと効果的 どんな人にでも「やりたくないこと」「気が進まないこと」をやらなければいけない場面があります。そんなときでも、「自分は◯◯◯のためにこれをやる」という目的、理由が具体的であるほど、脳をオンに切り替えることができます。
自分の中で目的が決まっていたり、「こんな自分になりたい」という目標がはっきりしていると、集中力は高くなります。 しかし、「今から◯◯◯のために、×××をする」と意識するだけでは切り替えが上手にできないときは、「やること」と「開始時間」を紙に書き出してみてください。 「文字を書いて、それを見て、手と、目を使って目的を意識する」ことで、運動系、伝達系、視覚系、思考系の脳番地が働いて、「やるべきこと」に集中しやすくなります。
そしてもう1つ。ダラダラせず、やるべきことに集中して短時間で終わらせるには、「時間の区切り方」もポイントです。時間を区切るとは、時間割をつくることです。 「何時から何時までは、これをする。そのあと、何時から何時までは、これをする」と、始まりの時間と終わりの時間を決めることです。 ■脳は「時間」を区切ったほうが覚醒する 脳は、時間を区切ったほうが覚醒度(集中度)が高くなります。期間が決まっていなかったり、時間の枠が大きかったりすると、「まだ始めなくても大丈夫」と先送りしたり、「あれって、どうなっていたかな」とほかのことを考えやすくなったりします。
ですが、締め切りが決まっていると、締め切りが近くなるほど、集中度は高くなります。「締め切りまであと10分しかないけれど、まだ仕事が終わっていない」とき、「あぁ、そういえば、あれもしないといけないな~」「あぁ、空が青いなぁ~」などと、余計なことに気を奪われることはないはずです。 時間割をつくるときは、仕事や勉強を「量で区切る」よりも、「時間で区切る」ほうが集中力は高まります。量で区切るとは、「今日は参考書を10ページ読もう」「今日中に提案書をつくろう」といったように、「時間の枠を問わず、自分で決めた量が終わるまでやり続ける」ことです。
1時間で終わる仕事に1日分の余裕があると、「ゆっくりやっても大丈夫」「1日あれば余裕でできる」と甘えてしまい、結局、その仕事に1日費やしてしまいます。 1時間で終わる仕事は1時間できっちり終わらせる。そのためにも、量ではなく時間で区切るようにしましょう。
加藤 俊徳 :医学博士/「脳の学校」代表