英中銀のインフレ退治長期化も、ゴールドマンは連続利下げ見通し撤回
(ブルームバーグ): リーブス英財務相が打ち出した大幅な支出拡大計画を受け、エコノミストはイングランド銀行(英中央銀行)のインフレ退治が長引く恐れがあると警戒感を示している。
リーブス氏が示した追加借り入れや最低賃金の引き上げなどは、英中銀が目指すインフレ抑制にとっては潜在的な脅威となり得る。
トレーダーの間では、英中銀が追加利下げのペースを懸念することになり、結果的に米連邦公開市場委員会(FOMC)や欧州中央銀行(ECB)に後れを取ることになるとの見方が強まっている。英中銀は来週、予算案後初の政策判断を発表する。
ゴールドマン・サックス・グループは今後2カ月の英中銀の連続利下げ見通しを撤回した。同行のエコノミスト、ジェームス・モバリー氏は「2025年の成長見通しが強まったことで、短期的に連続利下げを行う緊急性は低下する可能性が高い」と述べた。
短期金融市場では来週の追加利下げが完全に織り込まれているが、今後12カ月で完全に想定されている利下げはわずか3回の0.25ポイント利下げ。
英中銀のディアンヌ・ジュリアス元金融政策委員会(MPC)委員は「英中銀は間違いなく慎重な姿勢を維持するだろう」と述べ、「実質的に大幅な財政緩和で、特に最初の数年は顕著だ。従って私の判断はインフレ的な予算案と言えよう」と続けた。
原題:BOE’s Inflation Fight Could Be Extended by UK Budget (1)
(抜粋)
--取材協力:Greg Ritchie.
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Tom Rees, Irina Anghel